介護通信

介護通信 2016年10月03日

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認知症ブログ H28.10.4号 (内容限定版59)
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認知症治療研究会1 
東北、関東、関西支部、続々と立ち上げ
9月24日(土)夜、ポートピアホテルにおいて有志による会合を行い、河野医師同席のもと関西支部を立ち上げることを決定した。1月に実行委員会を開き、来年8月27日(日)第一回講演会を新大阪で開きたい意向である。代表は、ももクリニックの後藤克子医師に決定された。

サプリメント 1
プロルベイン6カプセルが、CBDの感情面・疎通性に著効

7年前に初めてプロルベインDRの話を聞いた。宮崎医大の教授が20年以上前に発見した赤ミミズの内臓成分が、動脈硬化巣を退縮させる。これはすごい作用だと驚いた。「ヒトは血管とともに老いる」というように、動脈硬化を治すということはまさにアンチエイジングの際たるものである。それ以来、これはきっと腦血管性認知症に一番効くのだと思っていた。

その後、漢方の神様だった故広瀬滋之先生(愛知県刈谷市)が、ルチン、キトサン、田七人参も配合しなさいとカイン(奈良市)に助言して商品が出来上がった。その後、ある精神科医がうつ病に使ったら1000人中、ほぼ全員改善との驚くべき情報をえて、なぜうつに効くのかわからなかった。漢方は、いまだになぜ効くのかわからないものが多い。

もし大学で興味がある医師がいたら、プロルベインはそもそもカプセルなので容易に二重盲検が可能である。ぜひうつ病への臨床試験をお願いしたい。厚労省公認サプリとなって普及すれば、抗うつ薬の副作用で悩むことはなくなるし双極性障害の躁期にSSRIが興奮性を助長することもなくなるだろう。

9月27日は、プロルベインDRで改善した患者が2人きた。彼女は55歳の皮質基底核変性症である。6週前には写真のように無言で前倒れをおこし、寝たきりに一直線だった。いままでフェルガードも服用していたが病勢をはねかえすにはいたらず、「プロルベインDRは変性疾患にも効くはず」との私の願いどおり、プロルベインDRへのスイッチで、よく笑うようになりデイサービススタッフを驚かせているという。

その変化は、診察室に入ってきた瞬間にわかった。姿勢がいい。自然の笑みである。まるで魂がはいったような感じである。Pick complexとしての二度童で、無意味に笑うのではなく相手の言葉に対して笑うし、なにか返事するようになり、アプローズサイン(ちゃんと3回の拍手で止められる)もなんと正常化していた。

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そして次に繰り出すのがNACである。感情を取り戻した彼女に、今度は歩行力をつけるためにN-アセチルシステイン(グルタチオンの前駆物質)を推奨した(安いので)。YahooのトップページからNAC iHerbで検索し、600mg250カプセル入り(2593円、83日分)を自分で購入し、1日3回1カプセルずつ飲む。

補遺:彼女は現在要介護5、改訂長谷川式スケール0である。ご主人の希望でセカンドオピニオンを求めて2件の病院へ行かれたが、①アルツハイマー型認知症、②非アルツハイマー型認知症
との診断で、もうすこし味のある診断を期待したところ、残念であった。

LPC症候群1 CBDの介護
突然倒れるから介護者が対応できない。娘さんが骨折

この75歳男性は、1年半通院しているがCBDを疑っている。急に転倒するので、先日娘さんが助けようとして一緒に転倒。患者ではなく娘さんが指を骨折してしまった。PSP,CBDは、DLBと違って突発的に倒れるので、助けるのが難しい。彼らの筋力を向上させる薬をパーキンソン病治療薬以外で探すのが、神経科学の急務である。

彼は椅子でないところに座る、食べ方がわからないなどの症状があり改訂長谷川式スケールも初診時9から0へ急激に悪化した。NACを勧めたが吐きだしてしまう、カプセルを外しても飲んでくれないということだった。根性を出して(食事混入などで)飲ませないといけない。


サプリメント 2
PNFA-CBDにプロルベインDRが10日で奏功

6年前の61歳の時から通院している進行性失語の方である。なにもしゃべらないので、PNFAということになるが、私はPNFAの場合の病理基盤は、第一にCBDを想起する。PNFAはSDに比べて少数派であり、CBDはPSPに比べて少数派なので、PNFA-CBDという組み合わせは忘れてはならないスペシャルな患者なのである。

今年の4月、食事中に眠り、前かがみになっていたという。夫は右手をあまりつかわなくなったという。重症なので、ひもを結んで、と言っても運動機能以前の問題として通じない。私の浅い経験では左右差を検出するまでは、なかなかCBDと言い切れない。このころからCBDではないかと思うようになった。

その3か月後、必死で治そうとする夫にプロルベインDR4カプセルを提案した。90日後、相変わらず介助されながらの入室であったが、すぐに改善したとわかった。目に力があり姿勢がよい。ご主人によくなったのではないかと確認すると、10日ですぐに座位保持ができるようになったという。

6年前にすでに無言症で、歩き方もわからないような患者が10日でしゃきっとするというのは、プロルベイン恐るべしである。今後は、変性疾患に対してフェルガードとの使い分けをどうするかということが課題である。

サプリメント 3
病理基盤がピックのLPC。プロルベインDRで食欲復活。目に力、笑顔。

4年2か月通院している75歳の頑強な男性である。4年2か月通院しており、現在施設にいる。いまや要介護5であるものの、いまだにコントミン12.5mg錠4錠が必要である。ほかにレミニール4mgと食欲にプロマックD2錠を処方していた。フェルガードも服用していた。

7月5日に、娘さんが同じ処方でいいというのだが、自分で食べなくなったというので、コントミンを2錠に減らし、プロルベインDR2カプセル×2を推奨した。プロルベインの抗うつ作用ならピック系でも興奮させずに覚醒できるだろうと思った。
3か月後、食欲がすごく出て、自分でもスプーンを持つようになり、目に力が出て笑顔を見えるようになったという。4年以上診てきて彼が明確に改善したのはプロルベインが初めてだった。

岩田明 実践医(愛知)が、精力的に著効例をブログで発表しているが、プロルベインDRを使っている患者が多く、私もプロルベインの経験数を増やそうと思っている。彼にはいずれ認知症治療研究会でプロルベインの症例をまとめていただく予定である。変性系にはフェルガード、虚血系にはプロルベインと思ってきたが、枠組みを組み直す必要があると感じている。

サプリメント4
フェルガードで白髪が黒くなるのは当然の結果

フェルガードは、抗酸化物質のフェルラ酸が入っている。そのため白髪が黒くなる人がいる。なぜか服用した人全員にはおきない現象であるが、この89歳男性は関女性がいいのか毛髪量までぐんぐん増え、毎月散髪に行くようになったという。

彼が服用しているのは2年前からフェルガード100Mである。100Mはガーデンアンゼリカ(アセチルコリン系)含有がもっとも少ない部類であるが、抗酸化系はフェルラ酸であるため、白髪の黒化については他の強いフェルガードと同じなのであろう。

サプリメント5
シチコリン点滴無効の脳梗塞後アパシー。NACで起死回生!母戻る。

9月12日に報告したPSP+NPHの78歳女性。大きな脳梗塞がおきてアパシーとなり、不機嫌で笑わなくなった。シチコリン1000mgを打ってもまったく効かなかった。

そこで、アセチルコリン過剰を整理するために、リバスタッチ9mgを4.5mgにいったん減量し、N-アセチルシステイン3カプセルを購入してもらった。その結果、昔の母親に戻ったと、息子さんは大喜びだった。

腦血管性うつ状態という言葉があるが、本当はアパシーのケースのほうが多いのではないか。アパシーなら抗うつ薬は、むしろよくない。脳血管性アパシーには、このケースでは効かなくてあせったが、NACがあって本当によかった。シチコリンが効かないとふつうめげてしまうところだが、MSAでコウノカクテルよりNACが効く患者がいたという情報をしっかり覚えていてよかった。

彼女はNACカプセルも飲めず、粉をご飯にまぜて摂取したくらいなので、新横浜セットのタチオンは飲めないし、自費診療もできないということで厳しい状況に追い込まれた症例だった。まさに起死回生だった。NACを自分でネットで買ってくださいというと長いと10日かかることもある。彼女はすぐに飲まないといけなかった。

KONO METHOD INTERNATIONAL 1
92歳の絶望的食欲不振にスルピリド50mgが著効


8年以上通院している超高齢者である。膝が歩くて車いすになっているが、7月5日に、まったくお腹がすかないと食べなくなったという。梅干しのようにちぢんでしまって、ふつうだったら92歳だから老衰でしょう、かたづけられるところである。

コウノメソッドには食欲セット(ドグマチール50mgを30日で撤退、プロマックD1-2錠)があり、彼女は舌苔は正常で味覚はあるということなのでスルピリド「サワイ」だけを処方。かつて本態性振戦があった人だが、歯車現象を確認して、まったくなかったので84日ぶっつづけで処方。アリナミンは打ったが、シチコリンは打っていない。ラコールは14袋処方した。

その結果、太って若返った。先回の写真を見て私も驚いた。ドグマチールは、容易に薬剤性パーキンソニズムをおこす怖い薬である一方、軽度うつや食欲には著効する必須アイテムである。用量は1日3錠となっているが絶対に守ってはいけない。今回振戦の既往があるというだけでドグマチールをあきらめてしまったら、彼女はあのまま死んでいたであろう。当然、今回でドグマチールは終了した。

コウノメソッドは、怖い薬を少量使うことで、古くて安い薬価の薬の価値を再生し高齢医療に生かしている。高齢者に高額な医療を行ってはならない。まだ働ける患者には高額な医療費を払ってもよいだろう。政策にはメリハリが大事である。ちなみにスルピリド50mgは6.3円。彼女は530円で生き返ったのである。

学会ばかり行っていると古い薬の情報は入ってこない。学会は医療費を吊り上げる元凶そのものである。学会がなければ医療費は上がらない。

前頭側頭葉変性症(FTLD) 1
ふりむく、毛髪を切らない、はピック症状

1年半前に初診したピック病である。初診時改訂長谷川式スケール4.5。なぜ低いかと言うと語義失語があるからである。前頭側頭葉変性症(FTLD)は、名の通り前頭葉と側頭葉がセットで萎縮するから、最終的には皆、語義失語のあるピック病という病態に収束してゆく。

フェルガード100M2本で改善したし、遠方なので処方なしで半年ごとに診ている。今回改訂長谷川式スケールの際に、頻回に後ろにいるご主人に助け舟を求め、毛髪は染めているが美容院にいかなくなっていた。

改訂長谷川式スケールは3に低下。つまり3単語の復唱以外は全滅と言う典型的な意味性認知症の姿である。幸いに反社会行動はなく、100Mだけでさらにおちついていてご主人も問題視していなかった。もし近隣の医師にかかってアリセプトを出されたら、めちゃくちゃにされたであろう。ご主人が焦って医師に化合物を要請しなかったのがよかった。

さて、この振り返り現象がアルツハイマー型認知症の特徴だと書いた医学書がある。この著者は前頭側頭葉変性症(FTLD)の経験数が少ないのであろう。海馬萎縮伝説もそうだが、FTLD経験の少ない医者が本を書くので「なんでもアルツ」になってしまう。

鉄則:ものすごく海馬が萎縮した患者は、むしろピックである。ピックにアリセプト(ドネペジル)は禁忌。ご家族は、ピックスコアをつけてみて4点以上だったら患者はアルツハイマーではなく90%前頭側頭葉変性症(FTLD)です。易怒があればアリセプトはやめるか半分くらいにして別の医師にかわってください。

アルツハイマー型認知症1
レミニールの長期効果と思われる2年間の悪化阻止
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レミニールはアルツミックスにおいてドネペジルより有意に効果的である。また2年後にはMRIでの海馬萎縮抑制効果(男性で有意差、女性で傾向)を認めている。従ってレミニールはアルツハイマー型認知症に対して2年以上適量を続けるのは有意義と推定される。

彼女は2年通院している80歳女性。さすがに杖と介助であるが、構音障害なし、嚥下障害なしで、デイサービスに週3回通っている。ビンスワンガー虚血は結構高度な状況であり、食欲が夏から落ちているため、歯車現象がないことを確認して食欲セットを開始した。最近ヒデルギンが製造中止となったため、腦血管性認知症に対する戦略は新しいものが渇望されている。

いまのところ私は前頭側頭葉変性症(FTLD)とアルツミックスへの第一選択にレミニールを考えている。レミニール4mg内用液を使用し、最初は必ず5日間ナウゼリン10mgを食前投与する。念のため20%を台所に捨てるように介護者に言っている。その対策のおかげで、ここ1年以上レミニール嘔吐を経験していない。ピック病には朝1本だけにする。(レセプトは通らない)

レミニールが効いたら増量せずに継続するが、愛知県は危険地帯なので4本処方して何本服用するかは私が指示している。1日3回飲むのも安全でなかなかよい。やはり8mg×2はきつくて飲めない患者がいる。

アルツハイマー型認知症2
環境が人を変える

1年半通院している83歳女性。最初から1人で通院しているが改訂長谷川式スケールは23のアルツハイマー型認知症である。独居で知的な方であり、美術館に行ったり、電車を乗り継いだりしてやってくる。最近は、1枚のカードで乗り継げるから認知症の予防にならないわね、などと知的な発言をする。教育者なのだなと感心する。

文化教室を自宅で開催しており、張りのある生活が認知症の進行を抑制しているようだったが、生徒から質問されるとパニックになるという。夕方症候群の傾向もあり、夕方に調子悪い。

処方は、ドネペジル5mg、ニセルゴリン1錠朝である。つまり1日2回以上は飲めないのである。初診時に比べるとずいぶん服装がおしゃれになり、髪形もきれいなので若返ったねというと、やはり生徒がやってくるから若返ったのだと言っていた。

私も息子がいるから最近の曲を知っているし、スマホも教えてもらえる。若い人との交流は実にありがたいものである。おしゃれな母親だと娘の服を借りたりするし、そのサイズに合うように痩せようとしたり、刺激があるものである。私は彼女が生徒の前で恥をかくことを心配していたが、彼女はそのリスクを乗り越えたようだ。

「そろそろやめたほうがいいのではないか」という発言は、よくよく考えてしたほうがよいと思った。

アルツハイマー型認知症3
脳室拡大型アルツハイマーというものがある


あまり、この話に言及した医学書を見たことがないが、正常圧水頭症でもないのに脳室が大きくてアルツハイマー型認知症の皮質萎縮がめだたない患者がいる。

正常圧水頭症(NPH)のCT読影の基本(脳室のサイズよりも脳溝が消されていることが重要)を知っていればNPHと誤診せずにすむ。脳室のサイズは個人差があるわけだし、先回説明したようにアルツハイマーは側脳室体部がたらこになって、CMIが30%近くになってNPHと似ていることが多い。

彼は5年半通院しているアルツハイマーで、現在レミニール12mg×2、メマリー15mg、ウインタミン6mg夕、リントン0.5mg夕を処方している頑強な81歳である。デイサービスは週3回で易怒もなく、夜間安眠でうまくいっている。

初診時を振り返ると、アリセプトが2年間続き不変だったという。飲酒はせず、運転でときどきぶつけると言っていた。それからすぐに発売されたばかりのレミニールにスイッチし、ずっと長期飲めている。いまだに尿失禁なし、すり足歩行なし。もちろん運転は5年前にやめてもらっている。

レビー小体型認知症1
脳室拡大型レビー小体型認知症

1年前に遠方から初診し、半年ごとに診させてもらって1年経過後に改訂長谷川式スケールが24.5から14.5に低下していた。

1年前から夜に幻視が出はじめ、昔は大声の寝言があり、いまも小さい声の寝言はある。声は昔から小さいそうだが、最近声の力が弱くなっているという。尿失禁はなく、ワイドべースでもなく、パーキンソニズムもない。鉛管様筋固縮でもない。

改訂長谷川式スケールは遅延再生が4点で、数字関係が1/4のレビーパターンである。CTを見ると、驚くほど脳室が大きい。第三脳室も大きいが、第三脳室だけ大きいPSPとは違う。脳梁角は鈍角であり、とても画像的にNPHの証拠があるわけでもない。海馬萎縮はシルビウス裂より先行しており前頭側頭葉変性症(FTLD)の片鱗はない。画像的にはアルツハイマーなのだが。

こういう患者を診ると、とまどうばかりである。無症候の立派な脳室は、もともと先天的に脳室が大きかった人ではないのかという考えにも至る。

アルツハイマー型認知症4
脳室拡大型大脳萎縮と軽度正常圧水頭症の共存という読影はできるのか?

2年通院している76歳女性。最近は車いす使用で老けてみえる。海馬萎縮が3.5+でまずもってアルツハイマーを疑わないといけない冠状断での景色である。水平断では側脳室はちまきでありCMI33%といえば普通は文句なしのNPHレベルのビッグサイズ。よく見ると後角のほうがやや大きく、アルツハイマーを否定しない。

水平断の頭頂部では、しっかり脳溝が伸びているようではあるが、矢状断の小脳スライスに池が存在し、脳梁角は80度なのでやはり正常圧水頭症の存在は否定できない。そんな考察で、NPHのにおいを嗅ぎつけてゆくのである。彼女が若ければ、脳外科にコンサルトしてもよいだろう。この方は、グルタチオン点滴に反応していたので、今回NAC3カプセルを推奨しておいた。

アルツハイマー型認知症5
アルツハイマーセットで普通に改善

アルツハイマーの中核症状にはドネペジル、陽性症状にグラマリール。これが基本である。NewフェルガードLA粒2個も服用しているので、長期的にも安心である。改訂長谷川式スケールは上昇した。万が一ドネペジルが効かなくても、そこそこ保ってゆく可能性が高くなるであろう。


LPC症候群2
シンメトレルロケットの過剰に注意
遠方から通っているPSPであるが(74歳)、非常に病勢をとどめているというか改善してきている。地元(無実践医県)でコウノカクテルを打ってくれる医師が見つかったのが大きいし、娘の判断でアマンタジン75mg×2を50mg×1に落としたのがよかったという。

アマンタジンは1回50mgでは水のようで何もよくならない薬と言うイメージが強い。そこで朝昼の不均等高用量投与を発案し、成果を上げたのだが、原因不明のだるさや食欲不振をおこすことがある。

今回、アマンタジンを減らしたことで動きがすごく速くなったのだという。食事に2時間かかっていたのが1時間に短縮し、しかも完食。現在、リバスタッチ4.5mg、ドパコール100mg×3、プレタール50mg朝、ウインタミン4+4mgを処方中である。異食や落ち着きのなさ、語義失語といったPick complexを示している。フェルガードはLA粒を1-1-0、100Mを1-0-1使っている。110とは朝1、昼1という意味である。

この娘さんは、県内で点滴をしてくれる医師を探し6人に断られた結果、白土医師経由で県内に打ってくれる医師を探し当てた。コウノメソッドをプリントアウトして渡し、医師を育てた。これだけの努力をする娘さんは、今回誇らしげに改善した母親を連れてきたのである。(5937)

LPC症候群3
KONO cocktailが効くCBDもいるのだろうか


遠方から来られた方だけに、点滴でものすごく早く歩けるようになったのは、うれしいかぎりだった。しかし、点滴前にCBDを予想しただけに、こんなに効いていいのだろうかと逆に診断に不安になった。もちろん地元ではCBDとは診断されていない。

いすれにしても、CBSと思わしき方もグルタチオン2600mg、シチコリン250mg(本来はMSAに使う組み合わせ)が効いたという希望が出てくるので、やってみてはどうであろうか。

今日のスキー軍団

スキー軍団は、圧倒的に女性で、圧倒的に股関節疾患である。しかし彼女は脊柱管狭窄だった。鑑別診断に先入観はよくないが、短時間勝負の開業医は、確率の高いものから問診したほうが効率がよい。私もまず、股関節が悪いですかと聞いてみたのである。たまたま違ってはいたが、そうですと言われる確率が9割である。

コウノメソッド医療者 今年33人目の実践医が誕生(神奈川)
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神戸の講演を見てくれた先生だと思います。公開実践医へのチェック表が9月8日に配信され、9月末日まで返事を待っていましたが、返事のない先生は、一時的に未公開にするため、残念ながら日本地図からからかなりの実践医のお名前が消えます。ですから新規の先生を期待します。ぜひ、右上にあるコウノメソッド医療者申込用紙のバナーをクリックしてエントリー願います。

あとがき
友人がぽつりと言いました。お前もいままでずっと突っ走ってきたからなあ、少しやすんだらどうかと。そうします。

 スライド2

コウノメソッド実践医会
先生のブログを毎週楽しみにしておりましたが、最近は更新がなく、直近のブログの最後に、しばらくお休みするような記載があったので、どうされたのかと思っておりました。私はコウノメソッドに助けられている立場です。私は現在療養病棟に勤務しており、老衰であってもできる限り食べられるように処方を工夫し、サプリメントも使用している次第です。
 山口県長門市に実践医を求人しているとの記事を読みました。情報大変ありがとうございました。心強いです。先生が再び元気に復帰されることを願っております。


コウノメソッド実践医会
河野先生、いつもお世話になっております。これまで認知症治療の改革(コウノメソッド)を真面目に取り組んで来られることは、我々コウノメソッド実践医が一番よく理解していると思います。また、小生のような素人が認知症のみならず神経難病も含め診断・治療に携わることが出来るようになってきたのも、他でもなく河野先生のお蔭だと常日頃感謝致しております。

これからも揺るぎない信念でコウノメソッドを日本のみならず世界に発信し、認知症診断治療のレベル全体を引き上げられるように、微力ながらも先生を応援し続けたいと思っております。まずは、あまり無理をなさらずに、お体とご健康を大切になさってください。

コウノメソッド実践医会
河野先生 私は全く無力な存在ですが、自分にできることを精一杯やり、そして先生のことを弟子の一人として心からお支えします。

私も、そして他の実践医も同様と思いますが、先生が考案されたマニュアルというよりも、河野先生そのものに惚れているんだと思います。私も、先生の患者さんに向かう姿勢を心から尊敬しており、先生のようになりたいと日々頑張っているところです。

ですので、先生の鋭い文章にはいつも感謝しておりますし、またブログでの厳しい発言もありがたいと感じています。とにかく、頑張ります。何かあればご指示下さい。実は誠に勝手ながら、実践医会なるものを正式に立ち上げたいと、I先生とも議論を始めたところです。

コウノメソッド実践医会
いつもエネルギシュなブログを読むのにやっと付いて行っている状態の私ですが、日常の診療や何時か現れるであろう、まだ診たことのない症例の勉強になっています。

この度、施設や診療所の処方箋を受けて頂いている薬剤師さん達から「ほとんどの薬剤師達はコウノメソッドを知りません。ですから、11月頃に薬剤師向けの講演をして欲しいです。」と依頼がありました。その数、なんと20名位!で1時間30分位になる予定です。

何とかコウノメソッドを理解して頂きたいと思って一応は受けたものの、相手は薬の専門家の薬剤師の上に、人前で長時間話すのが苦手で本心はびびりまくっています。コウノメソッドに興味 を持っている薬剤師向けのスライドを(コウノメソッドの基本的考え方と薬剤師への期待等で1時間30分位の物がありましたら)お借りできないでしょうか?宜しくお願いいたします。

→(回答)薬剤師さんにびびる必要はありません。むしろ、用法用量通りに処方すると高齢者はうまく治せないという現場の事実をありのままに伝えてください。薬剤師用スライドを伝送します。

コウノメソッド実践医会
今後ブログの発信をお止めになり、お疲れのことかとお察しします。
先生のお蔭で私も非力ながら介護者や患者さんに喜んで頂ける機会に恵まれました。これからも精進しなければと思っています。
毎週のブログは量が多くて読み込むのが大変でしたが先生からお尻をたたかれているようで必死な気持ちで読んでおりました。
ブログが無くなると怠けてしまいそうです。すぐにとは申しませんが、せめて隔週でも月1回でも良いですから更新して頂けないでしょうか?
先生の御事情が十分つかめていないので無理なお願いかもしれませんが・・。お疲れが癒されてからで結構ですからお願いできれば幸いです。 

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東北支部会開催さる


本日、第1回東北支部会を開催しました。

河野先生のビデオメッセージでキックオフとし、その後私(松嶋)から教育講演、そして事例検討と進みました。
事例検討は3つでした。実践医の長谷川先生から一つ、あとは看護師さんと介護さんが一つずつです。
参加者の背景が幅広かったこともあり、盛り上がりました。とても良かったです。

認知症治療研究会の特徴は、何と言っても懐の深さです。医師以外の職種も豊富で、また一般市民も加わっていることが大きな特徴といえます。今回はそれを遺憾なく発揮できた支部会だったんじゃないかと自負しています。

東北支部会は、堅苦しくなく気楽な会として、今後も緩やかな連携を軸に進むことにしました。
当面、私が事務局をつとめます。 

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実践医通信
プライマリケア医の私が脊髄小脳変性の歩行を改善できた

前回の点滴療法研究会の席でご相談させていただいた脊髄小脳変性症の症例について、その後の経過報告です。
70歳、脊髄小脳変性症6型の確定診断がでている方です。

症状は歩行障害(おそらく失調性、屋内かろうじて伝い歩き可)、認知機能低下無し(HDS-R 27/30)、軽度の構語障害あり、異常発汗あり、起立性低血圧なし。
9月16日よりグルタチオンとビタミンCの投与を開始しました。患者希望もあり、およそ2週間毎の投与です。
傾眠や認知機能低下がないのでシチコリン、ソルコセリルは追加していません。
① G1600mg+VitC 2g 明らかな効果なし。
② G2400mg+VitC 1.5g 体動が楽になり、体幹の筋肉痛が軽減、前向きな気持になり家事がやりやすくなった。
③ G2800mg+VitC 1.5g 前回の効果に加えて、異常発汗の消失が見られた。

以降は③のメニューを継続中で、現在5回目まで投与しています。②以降はすべて5分程度のワンショット静注です。
4回目の投与直前の診察では投与前よりも歩行スピードが改善し、歩きはじめの出足もスムーズでした。
患者にも喜んでもらえており、今後も2週間毎の投与を継続してきます。

これからもコウノメソッドを中心に勉強を続けながら、患者さんたちに喜んでもらえる医療を行っていこうと思っています。



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認知症治療研究会 関東支部設立記念講演会
平成29年1月22日(日)午後2時ー5時 (茨城県)笠間市 友部公民館(100名)参加費用500円
2講演 演題:コウノメソッド基本のき! 認知症治療専門外来の風景
講師:あやか内科クリニック 白土綾佳先生、市川フォレストクリニック 松野晋太郎先生
申込:認知症ゼミ申込用紙と書いたあと、 お名前 所属(なくても可) ご連絡先(FAX/電話番号)を書いて
FAX 047-712-6266 (参加証はFAXで送られてきます) 
問い合わせ電話:047-712-6261
応募資格:認知症治療研究会の年会費を収めた主に関東在住の方優先

実践医通信
開業して、どの地域でも認知症の講座が盛んになっているようで、当地区でもそうですが、来年から私も待合室や地域の介護施設などでコウノメソッドを中心とした認知症の講座をしていこうかと思っています。それで家族や老人(認知症のない感じの方向け)にもわかりやすいスライドがあればお願いしたいと思っています。数回に分けてお話しすることになるかとは思っていますが。

あとセミナーの後で、運動や何かイベントをやるのもいいかと思っていますが、フリフルグッパー以外で、何かお勧めのものなどあれば教えていただきたいのですが。
 
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実践医通信
河野先生お疲れ様です。白虎隊のバンド活動!イイ感じですね!
すごい久しぶりでもメンバーが集まるのは、うらやましい限りです。
同じパーカッションをやる身として、ウズウズします笑。
僕も元々やっていたバンド活動や、ダンスレッスン講師を再開したく画策しているところなんです(笑)。
人生メリハリですよね、僕も今、疲労もたまったので少し休診を増やしました。
世の中、世界中がいま変化のタイミングのように感じます。うまく波に乗って、良い所に着地したいものですね。

 実践医通信
河野先生の発信を、多くの患者さんやご家族、医療者が心待ちにしています。
私が不在の間に認知症患者さんが落ち着かなくなった、新たに受診したいがどうすればよいか?という連絡が届いており、コウノメソッドの実力を思い知ります。
認知症診療の新米であっても、頼って下さる方がいる以上は背筋を伸ばしてしっかりと診療をしようと思っています。

コウノメソッド医療者通信
コウノメソッドの存在が無視できないものとなっている今日この頃
最近担当した生活保護の認知症患者さんには13錠もの薬が処方されていました。便秘を主治医に相談すると新薬が処方されて、下痢が止まらなくなったり。
コウノメソッドを学ぶに連れて、知らなかった世の中のクロイ部分が見えて来たように感じています
今後ともご指導、ご鞭撻いただけますようお願い致します。

コウノメソッド協力看護師
N2803 兵庫県 40代女性 
最近訪問看護を始めました。認知症の方への介入も多くあります。
知人よりコウノメソッドの情報を聞き興味があります。よろしくお願い申し上げます。

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実践医通信

1月22日の笠間市友部(茨城県)でのセミナーですが大盛況で終了させて頂きました。
運営含め参加者112名で会場は席が足りなくなる程で白土先生が小会議室もおさえてくださっていたので大会議室と小会議室を使いました。
資料も途中で追加印刷するほどでした。

参加してくださいました皆さまも熱心に聞いておられ最後にアンケートを書いて頂いて頂いたのですが回収率もよく、頂いたご意見は次のセミナーに生かせればと思っております。

私も西條さんも終了するまでどきどきでしたが白土先生や松野先生、そして応援部隊の皆さまに支えて頂き、感謝しております。
関東実践医で登録されてる先生も遠くから10名程来てくださって本当に嬉しいことです。

2月26日(日)横浜で河野先生とお会いできることを楽しみにしております。(M)
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実践医通信

河野先生からPSP診断で紹介にあずかりました70代患者。グルタチオン点滴は3200mgまで増量しても効果なく、先生のアドバイスで
グルタチオン1600mg +ソルコセリル12ml (現在はCを 1000mg追加しています)点滴を行ったところ 視野、色覚が劇的に改善しました。

10日に一度上記点滴を行っており当初は点滴の効果は4?5日持続していましたが、最近は1日しか持たなくなっているそうです。
リバスタッチは4.5mgで、なぜか足の冷感が改善しているそうです。NAC内服を試してみたこともありますが効果は実感できなかったそうです。
LAを朝夕内服中です。

当院からの処方は< /span>リバスタッチ 4.5mg、シンメトレル細粒 1.5g  2x 朝、昼。プレタール50mg 2T 2x を試しましたが気分が悪くなるということで中止としています。

公立病院からメネシット 150mg 3xで処方されています徐々に病状は進行しているようで歩行も拙くなってきています。
Uターンは介助なしには出来ません。もともと左手の動きが悪かったですが、転倒するときは左側に転ぶそうです。
後ろに転ぶことはなく、必ずいっていいほど左前に転ぶとのことです。ベッドに臥床するのがうまくできず、なんとなくCBDの要素も入っているのかな?
といった印象があります。認知症自体の症状は乏しいようです。

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実践医通信(関東支部)

8月にシンガポールで日本人の方たちへコウノメソッドによる認知症治療のお話しをし、
マレーシアでは、マレーシア大学に本部のあるマレーシア老年内科協会で講演できることになりそうです。
世界中でコウノメソッドの講演やお話しができることを誇りに思っています。
ありがとうございます。またご報告させていただきます。

実践医通信

開院以来、海外からはカナダとニュージーランドから受診されました。
患者さんから感謝されることが多くなりクリニックの休憩室は頂き物のお菓子でいっぱいになっています(感謝)。
認知症治療研究会、楽しみにしています。

実践医通信(中部支部)
先日は横浜、お疲れ様でした。河野先生の認知症治療に対する熱い思いはレクチャーを通じて、audienceに充分伝わったと思いました。
power pointで示された1枚ずつの内容にジョークを混ぜ、何とか参加者に理解してもらいたいと考えた素晴らしい内容だと感じ入りました。
今回、理事長と一緒に参加させて頂きましたが、学び続けることの大切さを再確認いたしました。
ご多忙の中、先生とお会い出来て、理事長共々喜んでおります。これからも益々のご活躍をお祈りいたします。まずは御礼方々。 

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副作用情報 アリセプト・ドネペジル
心室性期外収縮が追加されました。DSU No.260


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 第4回認知症治療研究会(事前予約)
平成30年3月25日(日) 午前10時から
→TKPガーデンシティ品川
https://www.kashikaigishitsu.net/facilitys/gc-shinagawa/


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D2909

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ISOM東京大会 のお知らせ
ウエブサイト

プログラム



介護通信 2016年9月26日

認知症ブログ H28.9.25号 (内容限定版58)

名古屋フォレストクリニック 1
現在、平日の初診予約は、待ち1週間以内になりました
スライド1
人気のある土曜日を除いた、平日の初診待ちは、日を選ばなければゼロ日になりました。いままで、病状安定した再診患者さんの投与日数を長期にすることで、初診待ち日数を短縮する努力をしてきましたが、通院患者さんは希望があれば短期処方にできます。

つきましては、初診待ちは思いたった週に受け入れられますので、平日の診療時間内にオペレーターに予約をしてください。メールでのご予約はできません。なお水曜日は休診です。(今年は10月15日、12月24日休診)

紹介状、画像は必要ありません。お薬手帳は必携です。できたら介護者がお付き添いください。

患者さん本人が来られない自費相談の場合は、画像があればお持ちいただき、スマホに本人の顔か姿勢、様子を撮影してきてください。(動画でなくてよいです) 本人が来る場合は保険証、高齢者証、自立支援証、精神障害手帳などすべてお持ちください。1つも欠けないようにお願いします。
予約は電話 052-624-4010 (朝8:30-12:15、午後2:00-5:15)

LPC症候群
右に特集号のバナー(入口)をつけました(H27.1-H28.8)
PD, PDD, PSP, CBD, VD, NPH,筋緊張性ジストロフィー,ALS, FTD-MND typeといった歩行障害系の治療成果でこの認知症ブログで紹介したものを、1年8か月分掲載しました。文章はなく、スライドだけです。
スライド入り口

LPC症候群2
初めて目撃!PSP-Pに奇異性運動反応!まさにパーキンソンと同じ

75歳男性。非常に知的な職業をしていた方で、杖で両脇から2人の子供さんに介助されて初診した。改訂長谷川式スケールが20という触れ込みだったが、難聴だけでなく語義失語になっており0点だった。

施設で問題行動があり前頭側頭葉変性症と診断した医師もいるしパーキンソン病と診断した医師もいるという。ウインタミン、クエチアピンが処方されており、コウノメソッドじゃないか!と驚いたが、コウノメソッド実践医もかかわっていた。点滴も始めていたがあまり効かないという。SPECTでは完全に前頭葉が抜けていたので、レビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症の線は消えた。念のためCTを撮影しなおして戻ってきたとき、彼は入口のドアレールの前でスピードを落としてから猛烈な小刻みから一転して大きくまたいだ。奇異運動反応だ!とても久しぶりにパーキンソン病の姿を見た。

ということは、前頭葉血流低下、問題行動、限りなくパーキンソン病に近い運動を1疾患で説明できるものはPSP-Pしかないだろう。眼球も下に動いていない。私がそう宣言すると娘さんは前医(3人)の中で朝田隆先生はPSPを疑っていたとのこと。さすが朝田先生!感動した。この分野で自分と同じレベルの医師に出会うことはほとんどないが、火星で人類に会えたような気がする。

今後は、新横浜セット、レミニール2mg×2、フェルガード100Mプラス(新製品)3錠で攻めてゆく。娘さんが「治るのでしょうか」と言うので、遠くから来たのだし治しましょうよと言っておいた。次の実践医候補は、入院可能な病院の3人に絞られている。

奇異性運動反応
 奇異性運動反応とは,歩行などの動作がほとんどできない患者が,何らかのきっかけで動くことができるようになる現象です。例えば,床に縞模様があるとそれをまたぐように歩けたり,自発的に全く動けないパーキンソン患者さんが,ボールをなげるとキャッチできたりします。これは,パーキンソン病になると自発運動が困難になるが感覚刺激で運動が誘発できることを示しています。
(ネットより) 
 パーキンソン歩行で、普段歩きにくいのに気合を入れると歩けるという現象は、前頭葉機能の関与が大きい。号令をかけたり音楽に合わせたりしても歩きやすくなる。だから前頭葉萎縮の強いPSPでは当然おきそうなものだが、不思議とパーキンソン病でしか見たことがなかった。


KONO METHO INTERNATIONAL 1 オータムセミナー
高齢患者に対応するための新しい医学
老年医学という学問がありながら、高齢化する患者への適切な治療法の革新的な知恵が提案されてきたとは思えません。また、東洋医学と西洋医学の有機的な融合に成功した事例もあまりないようです。

高齢患者は、老衰が加わった病態や、大脳内で認知症責任疾患が重複することもあり、画像機器だけでは鑑別診断に限界が生じますし、各認知症病型の診断基準は、半数の患者で役立ちません。

それを逆手にとって考えると、高齢認知症の診断は画像機器を持たない かかりつけ医でも、ある程度参加できることに気づかされるのです。加えて、東洋医学のように対症療法に徹した処方を心がければ、介護者がかえって困るような副作用(興奮性、歩行障害性)を出さずにすみます。

コウノメソッドでは、画像機器なしでおおかた85%の鑑別診断を行い、患者個々に表出している問題となる症状を確実に改善させる処方をおこなえるよう、治療方針に直結した患者分類を提案しています。

そして、著者は東洋医学的に分類した患者の体質、キャラクターに沿って西洋医薬を処方し、つめの微調整を漢方とサプリメントで補うという東洋―西洋医学の融合を行っています。この手法が、他の治療法より高い改善率を達成できるのは当然でしょう。

東洋医学的発想で患者を分類して対症療法を施す
認知症の種類は無数にあるのですが、アルツハイマー型認知症(ATD)、レビー小体型認知症(DLB)、前頭側頭葉変性症(FTLD)、腦血管性認知症(VD)が4大認知症であり、これらをまずしっかり知ることから始まります。ピック病はFTLDの一種です。問題は、鑑別診断はそれほど容易ではないということです。

高齢者は薬物代謝動向が薬剤の半減期だけでは推し量れず、DLBは薬剤過敏性があります。臨床試験は比較的元気な、比較的若い症例に施行されるというバイアスを考えると、用法用量より少なめに投与して観察してから慎重に増量し時には減らす(センサリング)のが望ましいです。

用法用量はエビデンスから決定されたことなので、患者個々には合わないこともあり、個別化医療を行うことがかかりつけ医に求められます。目の前にいる患者は世界で一人しかいない症例なので、治し方は医学書に書かれていない、患者の身体と対話して処方量、投与法を決めるという態度が必要です。コウノメソッドは、個別化医療マニュアルと言っても過言ではなく、東洋医学的に西洋医薬を使うと思ってください。

高齢化時代の疾患重複と機能画像の限界
患者の高齢化でおきていることは、4大認知症が孤島のように個別に存在するだけではなく、二者が混合したり、延命するため長年のうちに病理学的、症状的に移行したりしうるという変容をきたすということです。
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混合型認知症と言う言葉があります。過去にはATD+VDを指していたのですが、最近はDLB、FTLDも結構多いことがわかりましたので、DLB+VD,FTLD+VDも存在するわけです。ですから私は単に混合型認知症とは呼ばずに、それぞれをアルツミックス、レビーミックス、ピックミックスと具体的に呼ぶべきと考えています。なぜなら使う薬が違うからです。

アルツミックスならドネペジルだけでなく、おとなしい患者なら脳血管拡張作用のあるニセルゴリン(興奮系)も加えるべきだし、脳梗塞再発予防にシロスタゾール(先発品プレタールの処方を推奨)も加えるべきでしょう。

DLBに正常圧水頭症(NPH)が合併する場合、傾眠に拍車がかかります。その場合、シチコリン静脈注射(500-1500mg)はぜひ行うべきです。NPHを内科的に歩かせる有力な治療はフェルガードというサプリメントです。

90代の剖検脳で、6種の疾患が重複していたという報告もあります。もはや、対症療法でしか正しい方向の治療には向かわないでしょう。


レビースペクトラム
脳内に老人斑とレビー小体を両方持つ患者は結構多いと言われています。
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ですからDLBスペクトラムの中でATD寄りとパーキンソン病寄りの患者を両極として、真ん中にDLB典型例がいます。これらのバリエーションで、患者個々には処方する薬(アセチルコリン系とドパミン系)の比率は変わってきます。

個人差があまりにも大きいDLBを一言でアリセプトが適応症として認められた疾患と理解してしまうのは、無責任で危なっかしいことです。この薬は、パーキンソニズムの強い患者にはむしろ禁忌ですらあるからです。アセチルコリン賦活は相対的ドパミン欠乏をおこすからです。

DLBというスペクトラムの広い疾患名は、個人差を無視するという西洋医学の未熟さを露呈させます。アリセプトを処方すれば多くの副作用を経験するでしょう。もっとも小著(河野2016)を読むまで副作用と気づかなかった医師が多いですが。さらにDLBには、薬剤過敏性という大きな障壁もあります。

スペクトラムの広さ(個人差)と薬剤過敏性という二つの障壁を持つという意味で、DLBこそが個別化医療のもとで処方をアレンジ・加減しなければならない患者群であり、医師の臨床能力を露骨に見せつけるものです。

残念ながら、もっとも強い副作用をおこす医師は神経内科医です。その理由は、パーキンソン病とDLBでは処方の仕方が全く違うという教育を受けていないからでしょう。そして、患者の薬剤反応を見ながら用量を調整してゆくという慎重さに欠けます。DLBは認知症の21%を占めると言われており、後期高齢患者に限れば、かなりの頻度になります。

著者は研修医によく「レビーを制する者は認知症を制する」と申しております。DLBの治療専門書は、いまのところ著者しか出版しておりません。(河野2014
文献 
河野和彦:認知症ハンドブック② 認知症の薬物療法〈改訂版〉。フジメデイカル出版、2016予定。
河野和彦:レビー小体型認知症〈改訂版〉即効治療マニュアル。フジメデイカル出版、2014。


FTLDスペクトラム
40歳台からの若い認知症で、反社会的行動(万引き、非協調性)で社会問題となっている認知症にピック病があります。

コウノメソッドの三大柱の筆頭である「介護者保護主義」には、この最も陽性症状の強い認知症に抑制系薬剤(主に抗精神病薬)を躊躇なく処方すべきことを推奨しています。

ピック病は、ユダヤ人が発見し、日本人が独立疾患と認めた経緯などからアメリカでは軽視されており、大脳組織のピック球がなくても前頭側頭葉変性がおきるため、全世界的には軽視されがちな病名のようです。

25年前にマンチェスターグループによって、ピック病は前頭側頭葉変性症(FTLD)の認知症症候群の中の一亞系に編入されました。

しかし、最近FTLDの失語症候群には、アルツハイマー型認知症を病理基盤としやすいLPAを新設したことで、前頭側頭型認知症と切り離す傾向があります。もともとあったFTDが復活し、FTLDは一過性に消えてゆく運命です。このように海外の勝手な分類に日本の臨床医も振り回されています。

ここで、スペクトラムという言葉を用いた理由は、意味性認知症(SD)がやがてピック症状も加わってくるという時系列のスペクトラムという病状変容の意味です。


DLBの場合は、アルツハイマー病変とパーキンソン病変の患者個々における比率の違い、と老人斑がレビー小体に封入されてゆくという時間的病理変容の両方の意味でスペクトラムと言っています。
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認知症をおこすのは前頭葉萎縮。失語をおこすのは側頭葉萎縮ですが、前頭側頭葉変性症(FTLD)は、両方セットで萎縮します。前頭葉萎縮のほうが強いのに失語、側頭葉萎縮のほうが強いのにピック症状が強い患者もいますが、たまたま症状が予想外のものから出たというだけで、結局は語義失語のあるピック病、という状態にみななっていきます。

話をまとめますと、前頭葉タイプの認知症は、現在FTDと原発性進行性失語(PPA)にわかれます。

FTDには、Pick type、FLD type、MND typeがあり、PPAには、SD, PNFA, LPAがあり、LPAだけは後方型であるATD病理を持つ患者が多いです。ほかは前方型です。
PPAは臨床病名であり、病理基盤を問いません。SDの病理にはピック病、PNFAにはCBD、LPAにはATDが多いとざっと覚えましょう。CBDは、前方型(ピック症状)+後方型(空間失見当)の病状が混ざっています。
注釈:意味性認知症(SD) 
進行性非流暢性失語(PNFA)
logopenic progressive aphasia(LPA)、
皮質基底核変性症(CBD)
進行性核上性麻痺(PSP)

PPAは、脳卒中による失語と症状が対応しており、SDは感覚失語、PNFAは運動失語、LPAは伝導失語と同じような病態を示すと言えばわかりやすいでしょう。
スライド9

著者は、PSP、CBD、FTD-FLD type、FTD-MND typeの実際の患者とCT画像を経験することで、すっきりした分類をすることができました。大きな発見として、認知症ブログで1日だけ公開しました(平成28年7月4日)今回も発表しません。

NON ONLINENEWS 参照

これで著者は、マンチェスターグループより理解が上回ったと感じます。なにより患者の経験数がものをいいます。この発見を機にで、マルチスライスCTの矢状断で頭頂葉萎縮を確認することでCBDの初期も気づけるようになりました。


コウノメソッド分類―病理基盤から独立―
病理診断は生前の患者を救うことにさほど貢献しないので、その鑑別診断に医療費と時間を浪費することなく、患者のキャラクターで分類し、現在問題化している患者の症状を対症療法で治すことに集中します。当然介護者の評価は高くなります。顧客満足度と言えるものです。

そして、経過を追うごとに病状が変容するため治療方針も変化させていきます。このことからも早期に鑑別診断を行う意義は半減します。

例えば、DLB患者がわがままになってピック症状が加わったケース、FTLDにパーキンソニズムや幻視が加わったケースをLPC(レビー・ピック複合、Lewy-Pick complex)と呼ぶことにしています。認知症の約15%を占めます。こう包括的表現をすることで、患者に問題症状が複合していることを認識できます。その認識は副作用をおこさないような処方に医師を導きます。

LPCはレビースコアとピックスコア(後述)の両方がおおかた5以上の患者ですが、そのグループの中からDLBらしくない患者がいる場合は、とりあえずLPC症候群としておき、経過を観てゆくうちにそれがPSP,CBDなどのPick complex、あるいは多系統萎縮症(MSA)などの神経難病であることがわかってきます。

患者の具体像―イメージですぐに診断をー
プライマリケア医には難解な病名が続いてうんざりしているかもしれません。そこで、具体的にどのような患者か平均像・典型像を提示します。

アルツハイマー型認知症: 正常にしか見えない75歳。明るくて元気。いざ改訂長谷川式スケールをやってみると20しかとれず、本人は、もの忘れはないという(病識欠如)。遅延再生(三単語を想起する)が特異的に不得意で6点満点で1点しかとれない。野菜は、同じものを何度も繰り返して言う。途中でネコ(三単語の一つ)と言ったりする(保続)

レビー小体型認知症: 非常にまじめな人で数年前から寝言、レストレスレッグ症候群(夜中に勝手に手足が動く)があった。うつ表情になることが多く、幻視がみえていることを自分でわかっている。肘に歯車様筋固縮がある。前医がATD、パーキンソン病、うつ病と誤診していることが非常に多い。アリセプトが5mgに増量になったときに足がでにくくなってやめた既往がある。


ピック病: 診察室で腕や足を組むような横柄な態度をとる65歳。運転が荒くなって、よくこすっているが意にも介さない。家族に注意されると過敏に反応してスイッチが入ったように激情するが、その後けろっとする。甘い炭水化物(ドーナツなど)を妙に好むようになり、まんじゅうだと1箱食べてしまう。家族のおかずと食べてしまうこともある。掃除せず、つまらないものを集めてきて浪費が激しい。

意味性認知症: 言葉が通じなくなったと家族が感じる。道具の操作がわからなくなり運転の事故が頻発し免許を返した。便器の座り方がわからなくなり逆に座ったりする。自信がないのか、しゃばらなくなってきた。ほとんどの患者がATDと誤診されている。すこし怒りっぽくなってきている(ピック化)。ドネペジルで易怒に拍車がかかっている。

パーキンソン認知症:8年前からパーキンソン病には間違いないのだが、最近記憶が低下し改訂長谷川式スケールは18しかない。片手に優位な振戦があり歯車現象もしっかりある。幻視は出たことがあるが、それはパーキンソン病治療薬を多く飲んだ時だけである。薬剤過敏性はない。

進行性核上性麻痺: パーキンソン病治療薬があまり効かず、急速に歩きにくくなっている。手を振って歩くわりに急に前や後ろに倒れるので前額に傷がある。目がくりくりしてピック病のようにあっけらかんとし、DLBのような深刻さがない。グルタチオン点滴が非常に効きやすい。やがて首が後方に屈曲し(頸部ジストニア)、胃瘻になる。CTで第三脳室拡大が特徴。


皮質基底核症候群: 最初は手の細かい動きができなくなり、どちらかの手がより動きにくい。ゆっくりと進行し、やがて歩きにくくなる。動作がおそく、腕はふって歩く。何を服用しても効かずグルタチオン点滴も効きにくい。復唱困難でまったくしゃべらなくなってゆく。CTで側頭葉皮質萎縮、頭頂部の脳溝開大に左右差がある。

多系統萎縮症: ふつうに歩いているように見えるが左右にふらつき、Uターンのときは側方に激しく転ぶ51歳。めまいを訴え眼振がある。タンデムゲイトはまったくできない。排尿障害、低血圧、構音障害、発汗過多がみられる。急速に歩けなくなってゆく。神経内科からセレジリンが処方されているが効かないという。改訂長谷川式スケールは25くらい。グルタチオン点滴が非常に効く。シチコリン250mgを隠し味で入れることが重要。自律神経症状がなく、予後良好なものに皮質性小脳萎縮症(CAA)がある。
スライド13

LPC症候群 1 
PSPイメージトレーニング
スライド14

架空の患者をここに想定します。名古屋フォレストクリニックの外来ではどのような会話がされているか、紹介しましょう。
69歳男性 改訂長谷川式スケール18 妻に介助されてゆっくり入室
観察 ニコニコしていて額に傷がある
アンケート 易怒、幻覚に○がうってある
前医処方 メネシット(100)6錠 マドパー3錠 ドネペジル5mg
医師 ずいぶん薬が多く出されているようですが、神経内科の先生はどう診断されていますか。
妻  最初はパーキンソン病と言われていて、最近レビー小体型認知症ということになりドネペジルが追加されました。
診察 歯車現象はほとんどなく、大きな声でゆっくりしゃべる
医師 体が結構柔らかいので、パーキンソン病治療薬はそんなにいらないと思うのですがね。それにドネペジルを5mgも飲んだらよけい歩けなくなる。
妻  ドネペジルが出てから食べられなくなり、よけい歩けなくなりました。最近は横になりたがって、急にだめになってしまって。先生の講演で患者が歩き出すビデオを診たケアマネジャーさんが、一度みてもらったらって教えてくださって。
医師 なにがきっかけでドネペジルが出たのかなあ。
妻  幻覚がひどくなったからです。
医師 これだけPD治療薬を飲ませたら出ますよ。なぜドネペジルなのかなあ。
妻  ドネペジルは先生のブログでは、歩行にはよくないと書いてあったので、ほかの薬にしてくださいと頼んだら、レビー小体型認知症にはアリセプトが認可されたからちょうどいいよって。だけれどもうちは家計が厳しいので後発品にしてほしいって頼み込んだのです。そうしたら先生は、先発品しか出せない規則なんだけどなあ、としぶしぶ言われました。後発品が出ているのに先発品しか認められないって、わけがわからないです。しかもそれで元気もなくなってしまって。
医師  いろいろご不満はあるでしょうね。レビーは、こんなに子供のようにニコニコしませんよ。
診察 眼球の動きがわるい。
医師 PSPだと思いますね。PD治療薬で歩行させようといしなければいけません。ドネペジルはすぐに全廃しましょう。
妻  PSPってなんですか?
医師 進行性核上性麻痺と言って、パーキンソン病の類縁疾患なのですが、PD治療薬が効きにくくて急に倒れるので、ほら顔に傷がありますよね。
妻  注意せずにどんどん歩こうとするのでいきなり後ろに倒れたり、階段から落ちたりします。目が離せられなくて、私もノイローゼです。
医師 それってPSPの特徴なのです。ズリズリーと転ぶのではなくて突然倒れる。ものすごく激しい転び方ですよね。介護用品店で保護帽を買ってください。1万円くらいです。目玉が上下しないから、階段を降りるときに下がみえていないのです。
妻  そういえば下をみるときに首を大きく曲げてみようとします。
医師 神経内科の先生は、眼球の動きをみないのですか。
妻  1年前に診ましたが、そのときは動いていたのでレビー小体型認知症ということに。
医師 PSPでも眼球は動く患者がいるし、急激に動かなくなってゆくので、何度も調べたほうがいいよね。それに診断も最初からボタンの掛け違いで、絶えずPSPかもしれないって思っていないとレビー路線にいってしまうよね。最近は幻視が出たら絶対レビーと思う医者が専門医でもいます。
診察 見学の医師にピックスコアをつけてもらう。
医師 吉田先生、ピックスコアなん点でした?
吉田 7点です。LPC症候群ということになります。
医師 そうでしょうね。レビーの暗さがないから見た目、PSPですよ。
妻  ここ1年ニコニコしていて、違和感があるんです。怒りっぽいし甘いものをほしがるようになって。子供みたいです。
医師 それはピックコンプレックスといって、前頭葉機能がおちるグループの中にPSPが入ってくる。レビーは入らないのです。キャラクター的にレビーとPSPは感じが違います。しかも大きく腕をふって歩くでしょ。パーキン系なわけないですよ。
吉田 神経内科学でパーキンソン病類縁疾患に入れてしまったことが間違いのもとだったのでしょうね。
医師 まあ仕方がないけどね。それよりコウノメソッドでピックスコア、レビースコアをつけておいて、どちらも高い患者をLPC症候群とし、その患者がレビー小体型認知症でいいのかそうでないのかを考えてゆくという道筋が間違いないですね。
レビースコアが高いけれど明るいキャラクターはPSPですよ。CTで確認すれば前頭葉萎縮は強く、第三脳室は大きく広がっている。ハミングバードサインが陰性でもPSPと自信をもって言えるでしょう。
じゃあ、吉田先生、PSPは側頭葉と頭頂葉は萎縮していますか?
吉田 いえ、PSPは前頭葉だけ萎縮しています。ピック病と意味性認知症のように前頭側頭型認知症とは言えないです。
医師 じゃあ、治療はどうしますか。
吉田 進行が早いので、今日コウノカクテルをしたいですね。
医師 今日はCTも撮影したから保険診療日ですね。自費診療をしてもいいのですか。
吉田 混合診療になるのでできません。するなら無料です。
医師 何をどれくらい入れたいですか。
吉田 この重症度だとグルタチオン2200mgくらいで確実に効くと思います。
医師 ほかは必要ですか。PSPですから単独でいいと思います。無料なので他に使う義務はないでしょう。ビタミンCなどは、明日以降に来ていただければ。
医師 処方はどうしますか。
吉田 歩行障害系ですからドネペジル中止、当然リバスチグミンです。歯車現象は軽いのでメネシット1回100mgは多いですね。妄想もあることだし、ドパコール50mgを6回投与にしたほうがいいと思います。
医師 幻視・妄想対策は
吉田 とりえず転びやすいのでセレネースを考える前に抑肝散にしておきたいです。たまにシチコリン1000mg単独静脈注射もいいと思います。
医師 スイッチ易怒はどうするの?
吉田 肝臓は悪くないのでウインタミン4mgを屯用で渡しておいて、ショートステイ先で問題化したら服用してもらうようにしましょう。この量なら歩行に影響はないと思います。
医師 ドネペジルからリバスタッチにスイッチして記憶低下がおきたらどうするの?
吉田 速めに2段階目の9mgに引き上げます。
医師 そうですね、ドネペジル5mgと等価のリバスチグミンは9mgだよね。だけど、LPC症候群は、リバスチグミンでよけい足が重くなることがあるけれど大丈夫ですか
吉田 家族にその副作用を説明しておいて、そうなったら9mgパッチをハサミで25%ほど捨てるように言っておきます。

解説
診断 レビー小体型認知症と誤診されていた比較的若い患者。ピックキャラクターがあること、歩容(アームスイングがある)、CT所見からPSPと診断変更。
対策 歩行阻害をしていたドネペジルを中止。もっとも歩行を治せるグルタチオンが効くかどうかを確認。幻視・妄想対策にはLドパを少量頻回投与に変更。ピックコンプレックスの疾患なので、易怒にはピックセットを適応。家族に余裕があればフェルガードも推奨。
補遺 MIBG心筋シンチでH/M比が1.6を大きく上まわる(おおかた2.0以上)であることを証明すれば、PDD,DLBでないことは確実にできる。(確診度80%)
無駄な検査(DaTスキャン、MRI、SPECT)は発注しないこと。多発梗塞によるパーキンソニズムが疑われればMRIは行うべきである。

映画THE BETLES EIGHT DAYS A WEEKを観て

祝日の朝9:30にビートルズの記録映画(上映初日)を観てきた。2時間半なのだが、本編は90分で、最後の30分は56000人の観客を集めたニューヨーク・シェアスタジアムでの鮮明なライブ映像がおまけと言う形でついている。5000人しか収容できないホールでコンサートをすると、外で5万人が騒ぐと言われていた。

ジョージやジョンが、もうライブはやめたいと言いだしたのが、全米ツアーの大雨の中でのライブや、ベッド1つしかないホテルで4人宿泊したり、罪人を輸送するトラックで球場から出てゆく経験をしたときである。その後彼らは二度とライブをせずに、スタジオにこもって名作アルバムを出していった。このストレスに1人で耐えていたプレスリーは大変だっただろうなと漏らす一幕も。

当時の社会人から言うと、ちょっといかれた若者と映ったであろうが、アメリカ南部での講演の際に、黒人観客は隔離するという主催者の動きがあり、4人はそれをさせなかった。そのビートルズライブ以降、黒人はライブで差別されなくなったという。

ビートルズが名曲を書く確率がモーツアルトに並ぶという評価もあり、歴史的なバンドであったことはここに説明するまでもない。映画を真剣に観たが、ビートルズの演奏や歌唱は非常に丁寧である。大観衆で、モニターアンプから仲間の音も聴こえない状態で、仲間の腰の振りなどからテンポを合わせていたという。驚くほど合っていたという。

ビートルズファンにとってほとんど切れ目のないシェアスタジアムライブのカラー映像と修正された音源のクリアーさとボリュームは必見であろう。私のような素人に限らず、世界中にビートルズのコピー演奏で飯を食っている人たちがいる。彼らはこぞってこの映画でタイムスリップを体現しにくることであろう。当たり前だが、いくらテクニックがあっても自分たちより本家のほうが上手で色気があることを認識するに違いない。

認知症治療研究会1 
東北支部10月23日(日)午後1時開幕
認知症治療研究会の東北支部会を開催します。形式張らず、ざっくばらんに、認知症について大いに語り合う場にしたいと思います。ご興味のある皆さまのご参加を歓迎いたします。
●日時 10月23日(日) 13時30分開始(13時開場)
●場所 岩手大学 銀河ホール(岩手県盛岡市上田三丁目18番8号)
●対象 認知症治療に興味がある方であればどなたでも(*認知症治療研究会の会員の有無は問いません)
●内容
1.オープニング 13:30-13:50
*河野先生(名古屋フォレストクリニック)のあいさつ動画
2.教育講演 13:55-15:15
「レビーとピックを見極める」 松嶋大(ものがたり診療所もりおか)
3.ケースカンファ&自由討論 15:30-16:55
*2,3ケースを予定
●参加費 会員 1,000円 一般 2,000円
●申込方法 下記を記載の上、事前申込をお願いいたします。送り先は事務局までメール(monogatari.morioka@gmail.com)もしくはFAX、電話でお願いします。
①お名前 ②所属 ③職種(資格) ④認知症治療研究会の会員か否か ⑤ご連絡先 ⑥懇親会参加希望の有無
●ケースカンファのケースの募集 日頃お困りの事例を当日ご持参下さい。参加者間で議論したいと思います。なお事例が多数の場合にはご遠慮頂く場合もございますのでご了承願います。
●主催 認知症治療研究会 東北支部設立発起人会 
松嶋大(ものがたり診療所もりおか)長谷川 幸弘(長谷川医院)小原 秀和(介護老人保健施設なごみの里)
●事務局(各種問い合わせ先) ものがたり診療所もりおか(担当:小林) TEL019-613-3171 FAX019-636-1630


抗認知症薬の適量処方を実現する会 実践的認知症セミナー
日時:2016年10月15日(土)午後5時~午後7時
場所:岩崎学園新横浜1号館リバブルホール(JR横浜線「新横浜駅」より徒歩3分)
講師:中坂義邦先生(新横浜フォレストクリニック 院長)
   平川 亘先生(池袋病院 副院長)
参加費:1,000円
お申込み(法人抗認知症薬の適量処方を実現する会HPより)
スライド16

ドクターコウノ2016年講演 
●11月5日(土)夜7:30-9時 徳島県臨床内科医会講演会(徳島県医師会館)
東洋医学的発想・アンチエイジングで認知症を改善させるーコウノメソッド解説ー
問い合わせ:ツムラ 書籍・DVD販売あり。高橋会長の意向で内科医以外にも広くお誘いしています
●11月6日(日)朝10時―正午 徳島一般講演 徳島駅から徒歩10分「とくぎんトモニプラザ(300席)」認知症介護のコツーくすりの効用と副作用―
●11月30日(水)18:30-19:30 長久手南クリニック認知症勉強会
認知症患者の前頭葉機能を考える

ドクターコウノ2017年講演 
●2月26日(日)第三回認知症治療研究会(パシフィコ横浜)
●3月19日(日)NPO法人 くすり・たべもの・からだの協議会 静岡市 午後2:30から90分(理事長 山田静雄 静岡県立大学大学院薬学研究院)対象:一般市民、薬剤師など
●6月3日(土)19-21時 第4回認知症サポート医等連携の会(千葉県医師会館3階会議室)
●8月20日(日)正午 社団法人抗認知症薬の適量処方を実現する会 第三回特別セミナー 品川 演者:長尾、河野、平川

圧巻だったNHK SONGS宇多田ヒカル特集
説明するまでもなく、彼女の生い立ちは特殊で一般人の育ち方としては健康的ではなかった。昔の彼女をテレビ画面で見ると私も不安を感じた。目が落ち着かない、あまりに暗い。母親が藤圭子なので、当たり前と言えるのだが、色気の暗さならいいけれど、彼女の場合、自殺を想起させるような病的なものだった。

6年ぶりに見た彼女は、安定した母親になっていた。本人が言うように子育てのために規則正しい生活をしなければならなかった。アメリカ生活のため、誰からも普通の人に見られて楽だった。歌手に復帰できたのは精神と体調を整えてくれた子供の存在が大きい。子供がいなくて母親の死だけを引きずっていたら復帰できなかったと。

聞き手が糸井重里なのは、よかった。彼女の使う難解な言葉を理解できる数少ない大人。音楽番組なのに、ほとんど対談。それでも私は途中でチャンネルを変えることはなかった。本邦初公開の曲が3曲。おそらく口パクではなく本当に腹から声を出し、すべてに新しいセットを組んでいた(CGではないと思われる)。紅白歌合戦の出演を条件に高額な予算を使ったであろうNHK。彼女がすんなり紅白に出たら、本当に大人になったのだねと歓迎したい。

自分は幸い結婚できたが、やはり結婚して子供を育ててというあたりまえの生活でない国民が増えると何かひずみがおきやしないと心配になる。昔は干渉好きな近所のおばさんたちが、無理やり見合いさせたものである。そのときは、煙たく感じても老後になってありがたかったと皆思うはずである。頑固爺や大阪おばちゃんは、本人が生きているうちには感謝されないかもしれないが、人類の滅亡を防ぐ大切な存在なのだと、私は信じて疑わない。



介護通信 2016年9月19日

認知症ブログ H28.9.19 (内容限定版57)

コウノメソッド実践医 1
除籍1、非公開化4
9月9日からチェック表を公開実践医にチェック表を配信し、FAXで名古屋フォレストクリニックに回答を返信していただいています。その結果、自分の意思で実践医を除籍1名、非公開化4名(いずれも本人希望)となっています。

除籍となった先生は、非常に患者数が多く点滴療法に対応できないという事務的な理由などがあるようです。開業時は、認知症への正しい対応ということで早くから実践医になっていただき、大車輪の活躍をしていただきました。現在は、もともとの本職の患者が増え、コウノメソッドも神経難病領域の治療ができるようになってきたため、畑違いの患者に対応できなくなったもようです。残念ですが、このように開業後コウノメソッド患者に対応できなくなるということはよくあることで、自己判断で脱退していただくのはよいことだと思います。

現在、コウノメソッド実践医は361人めが登録最新番号ですが、361人が実働しているということではありませんし、日本医事新報社に掲載許可をした医師は約170人です。実践医は、患者のほとんどが認知症という、バリバリの専門医ばかりではありませんし、モンスター患者さんについても小耳に入れており、不愉快な思いをする実践医もいるようです(下記参照)。

公開実践医へ9月9日からチェック表をメールしております。その返事が9月14日までの80人からしか届いていません。締め切りを過ぎると、自動的に非公開となり地図からお名前が消えます。また日本医事新報社第四弾の巻末のお名前も3刷から削除となります。患者さんは、藁をもすがる気持ちで公開実践医にたどり着きます。勉強を継続できない先生は、いったん非公開で休んでいただき、やる気のある・信頼できる医師だけが残る、これでよいと思います。

この10日間、公開実践医の皆さんから肉筆のご回答をいただき、それを読むことで皆さんと高級ホテルの大会場で懇談できたような気分になれました。我々は製薬会社とは癒着していませんので、高級なパーテイーはできませんし、いつも交通費を自腹で出していただいています。しかし、困難な状況の中でも本当に難病の患者さんを救いたいという気持ちは一致しています。また第二回目のチェック表を10月中旬にお送りし、みなさんの回答を読むことを極上の喜びにしています。

コウノメソッド実践医 2
モンスターご家族の実態。患者さんサイドにもマナーを求めます
名古屋フォレストクリニックを一度受診すると、自分は地元の実践医に特別扱いしてもらえると思ってしまうご家族があるようです。この方々は、河野医師の弟子なのだからと実践医に対して高圧的で、社会的に失礼な態度をとることがあります。

モンスターご家族は、もともと社会的に非常識な方、もともと精神科疾患をかかえた介護者というパターンが多いようです。「その処方は、河野先生の著書とは違う」というような反発をして、診療の阻害になります。実践医のやり方が医学的に本当に間違っているならまだしも、この対応をされると実践医はやりきれなくなるでしょう。

こういった患者が増えると、実践医のモチベーションを落とすことにもなりますので、社会のルールとしてモンスターご家族は自制していただかなければなりません。心配なのは、遠方から来られるご家族も認知症初期と言うケースです。認知症爆発の時代において、心配事は山積します。

コウノメソッド実践医が、ますます信頼される時代になってきているとすれば、今回のように実践医の襟を正すシステムを継続すると同時に、河野医師だけを信奉し実践医は信じないというご家族は、いくら遠方であっても名古屋フォレストクリニックへの通院をしていただくか、地元のかかりつけ医は自分で探してもらい、実践医は紹介しないということにさせていただきます。名古屋フォレストクリニックしか信じないというのなら車椅子であろうとストレッチャーであろうと名古屋に通院するのがスジです。

また1回名古屋フォレストクリニックに初診したあと、地元の実践医に通い始めたのに、名古屋フォレストクリニックに質問FAXを繰りかえす方がいます。私がFAX返礼するのは、私の薬で副作用が出たときのみです。質問があるなら再受診が原則。遠方なのでいけないという理由は受け付けられません。いまの主治医に質問し、わからなければその医師が私にメール相談するのが原則です。主治医は原則1人です。

モンスターの実例と実践医からの苦情
(引用開始)河野先生を慕うあまり、眼前の医師の意見が聞こえなくなっている患者さん(ご家族)がいることが困っています。

以前にも相談させていただきましたが、「主治医はあなたではない、河野医師だ」「コウノメソッドの本では、胃や心臓も治したほうがいいとは書いていない」(この実践医がたまたま内科合併症を見つけて治療しようとしたとき)、「コウノメソッドの患者だ。待たせるのはおかしい。お前はそんなに偉いのか」など当院や私を否定するかのような発言をされます。各実践医には都合があり、認知症の方ばかりを優先できない事情もあります。

もちろんご家族は必死であり、河野先生を慕っている点は承知しています。しかしこのような受診態度は身勝手です。私も認知症診療の草分けである河野先生を尊敬しており、患者さんへの言葉一つ一つに配慮していますが、このようなケースではスタッフ一同.とまどっています。コウノメソッド実践医を名乗る弊害を感じるとしたら、この点です。

ドクターコウノの判断:申し訳ないですが、ご家族の希望通り診療していただくのが基本です。医師のほうから提案したものを跳ね返された場合、ご家族責任でということでいいと思います。今後は、名古屋フォレストクリニックを初診し、地元に戻られる患者さんには、実践医へのあいさつのあり方についてご家族にお話しておきます。

患者が原因で、実践医を降りるということがあるならば、まったく主客転倒ですから、全力で避けたいと思います。今回、打ち出した方針は、実践医も患者サイドもジェントル(紳士的)で行きましょうということです。チェック表をFAX返送しない先生は、非公開にして利用者が安心できるようにします。

抗酸化療法 1
新FG療法!NAC+フェルガード100Mで、寝たきりから1日で奇跡の生還

いままで、FG療法と言えばフェルガード内服+グルタチオン点滴のことであった。いかなる難病でも一定の成果が出ていた。関東の神経内科医によって、アメリカのサプリメントであるN-アセチルシステイン(NAC)はグルタチオン前駆物質だから胃酸に分解されずに脳血流関門も通過できるし、コウノカクテルが効かなかった多系統萎縮症でも効果が出たと報告を受けた。
名古屋フォレストクリニックでは、NOWのNACを購入し、いままでに60ボトル販売した。なかなか自費点滴はしてもらえない状況の患者さんには朗報である。

8月26日、九州から2人の息子さんが来院した。父親は入院中で瀕死の状態だという。そのとき顔写真はなく、MRI画像を見せてもらったが、4年前から毎年意識消失、現在もレストレスレッグ症候群、振戦、まじめな性格があることなどからレビー小体型認知症+腦血管性認知症と診断。

フェルガード100M2本とNAC2カプセルを推奨。夜中に叫ぶので強いフェルガードでなく100Mで開始とした。そして彼女たちはもう来ないだろうと思っていた。

3週間後、また相談料を払ってでも改善の報告に来てくれた。1か月寝たきりだった父親が、サプリメント服用の翌日から目を開け、自分で食事。4日後には午前中ナースステーションで過ごし、食堂で自分で食べるようになったという。治療前の顔写真はないものの、回復直後の顔を見せてもらうと、しっかりした目つきだった。主治医からアリセプトと抑肝散が出されていたので、アリセプトを2.5mgに落としてもらうように助言した。

このように、アリセプトと言う阻害因子が出されていても、抗酸化隊は敵を撃破する。また、精神科入院中の患者の場合、かなり強い抗精神病薬を処方されていても家族がフェルガードを運ぶことで1か月以内に退院できる。

NACの購入方法 アマゾンではなく、Yahooのトップページに、NAC NOWの二単語検索すると、トップに出てくるので、それを購入する。1週間で到着する。できない方は名古屋フォレストクリニックで扱っています。

KONO METHOD dermatology 1
フラナガン水素の適応症拡大へ
スライド2
フラナガン水素カプセルの開発者は、そもそもアトピー性皮膚炎単独ではなく、酵母食品マニアでそればかり食べていたために遅発性アレルギーをおこし、フラナガンを1日6カプセル飲んで半年後に完治したという状況であった。

開業医2件に臨床治験を依頼したところ、アトピー性皮膚炎単独で1か月後に改善した患者は約半数。私は5日で改善がわかったが、息子は、まだ効いたとははっきり言わない。このように個人差があるようだ。今回小川説郎実践医からうれしい報告があった。

(引用開始)「ハイドロマイトA10Pに関してですが、じんましんの24際男性に試しました。タリオン、セレスタミン、プレドニンなどや、気管支の収縮で入院までした患者が、服用しだしてすぐに症状が消え、もうすでに数か月経過しましたが、再発はありません。TARCを測ってみます。すごいです。(引用おわり)

次は、認知症の母親を名古屋フォレストクリニックに連れてきていた女性である。
(引用開始)46歳女性です。A10Pを始める前にTARCを測ってみましたが、449でした。7月から服用を開始。最初は6カプセル、10日後から4カプセルにしました。その結果(いま9月に思い起こすと)あせもが予防できたと思います。毎年夏は、ひどいあせもで、なやんでいました。子供の頃からアトピーで、いまも膝の後ろは赤いです。金属アレルギーもひどくて、それにも効くのを楽しみに飲んでいます(引用おわり)。7892daughter

9月14日までに19名の医師から資料請求があり、送りました。今後も、効果、副作用などの報告をお待ちしています。
名古屋フォレストクリニック FAX 052-624-4005

LPC症候群1
レビー小体型認知症から始まった誤診マーチの末、PSPとの結末

4年前、76歳で初診した女性は、改訂長谷川式スケール27で妄想があった。ややアパシー顔貌になる瞬間があり、気になっていたがふつうにレビー小体型認知症だろうと思っていた。処方で、歩行も妄想も完璧に改善していたころが、左の写真である。

その後、やせてパーキンソニズムが増悪し、ピック病のような行動が出始めた。ちくわを全部食べてしまった事件からおかしかった。今回、自宅でパジャマを半分穿いた状態で倒れて起きられなくなっているところを発見、救急搬送されて入院した。主治医から照会状がきたので、入院中MIBG心筋シンチしてH/M比が1.6以下かどうか調べてほしいと依頼しておいた。

当院外来復帰すると、H/M比は非常に高くて、PSPかFTDでしょうとのコメントだった。このように心筋シンチは、8割の精度でDLBとPSPを鑑別できるのだが、私は全国の開業医にどんどんやりなさいとは言わない。結果として私のやってきた処方は間違いないのだし、患者に迷惑はかけていない。間違いの処方とは、ドネペジルを処方することである。それをやったら彼女はもう生きていないだろう。

彼女から、PSPのイメージをまた勉強させてもらった。初期のアパシーがやはりヒントだったのだと思う。あれは、DLBの傾眠ではなくPSPのアパシーだったと思う。傾眠とアパシーの治し方は、いずれもシチコリンなので、コウノメソッドの対症療法は間違いをおこさない。

LPC症候群2
パーキンソニズムと認知症は遺伝子的に近い?
スライド4
脊髄小脳変性症(SCA)を調べているときに、遺伝性SCAにはHarding分類と言うのがあって、3型あり、ADCS1というのは、錐体外路症状と認知症を合併すると書かれてあった。

FTDP-17という前頭側頭葉変性症は、パーキンソニズムが合併している認知症である。MSAにもMSA-Dという認知症先行する稀なタイプがある。MSAは難治ではあるが、パーキンソン病治療薬で歩行が改善する患者、時期がある。

パーキンソン病は、やがて認知症になることがありPDDと呼ばれている。アルツハイマー病変はない。レビー小体型認知症にはアルツハイマー病変がある。このような背景から、パーキンソニズムと認知症はなんらかの関係があるように思える。

生化学的には、ドパミン欠乏とアセチルコリン欠乏だが、この二者には天秤の関係があるという神様のいたずらが仕掛けられていて医師を困らせる。そのわなにまんまとはまっているのが神経内科である。PD治療薬とドネペジル常用量を併用するというめちゃくちゃなことをする。

LPC症候群3 (神経内科医のコウノメソッド実践医)
LPC症候群でいいのだと思うようになりました。
PSPの非典型例の診断は、非常に難しく思います。最近は私も、無理に鑑別する必要ないんじゃないかと考えるようになりました。DLBかPDDであればアリセプトとリバスタッチ(中~高用量)を使わずに、レミニール少量かリバスタッチ極少量で開始してフェルガードとNACを追加するだけでスタートすればいいと思うようになりました。

LPC症候群4 
ピック切痕のある凶暴なレビー小体型認知症。精神科入院へ

非常に悩ましい79歳の患者である。1年2か月前から通院。振戦、傾眠、幻視、妄想がありレビー小体型認知症以外の何物でもないと思っていた。前医の情報ではMMSE12だったが、1年たったいま0点(無言症)で医療保護入院の求めが家族からおきた。

彼女の幻視、妄想が強くなった1つの要因は、彼女は目が不自由だという点があるだろう。初診時は、家族だけが相談に来て、アリセプトを飲まされているとのことだった。昨年ご主人が亡くなってから、長女と夫が肉体関係にあり、5日ごとに秘め事をしているというリアルな妄想を1年たっても言っている状況である。私は、アリセプトはとんでもないから医師を変えたほうが良いと助言し、リントンを自費で持たせ、100Mを投入した。

その後本人が通院開始し、リントンで振戦は悪化し、ウインタミン、ドパコール、ドネペジル1.67mg、アロチノロール(首振りを減らすため)を処方していた。しばらく、平和だった。

それから1年たち、介助歩行なのに自宅から飛び出して行方不明となり道端で倒れているところを近所の方が助けてくれた。最初は目がほとんど見えないので出てゆかなかったが、最近はカギを開けて出るという。妄想に突き動かされて出てゆく。自分は、これから結婚する娘だと思っていて嫉妬妄想の深さは尋常ではなかった。

CTでは後方型萎縮であり、眼窩面萎縮もなく、とてもピックと思えるものではない。ただし、ピック切痕がある。軽度のピック病なら(とくに万引きするタイプ)ピック切痕だけが重要なピック病診断の決め手になるのだが、彼女は高齢でありほかの所見は合わない。AGDの可能性はあるのだが。最近使っていたリバスタッチもかゆいと言って貼ってくれなくなった。DLBのピック化と考えられる。(DLBのLPC化という言い方をしてもよい)

ついには自分が打っているインスリンを娘に打とうとするほど凶暴となり、入院させたいということになった。糖尿病がなければ、ジプレキサは出したかったほどである。シチコリン500mgは打っておいた。前頭葉型認知症以外が入院するというのは、私には反省材料である。もっと診察回数を頻回にして処方を微調整すべきだったと思う。最短でも56日処方しないと患者が回らない時期だった。

倒れる患者に、眠気をおこすセルシンは使いたくない、リスパダールは大嫌いだ、リントンはだめだった、ウインタミンを増やすという手はあったが介助歩行だったので後手に回った。糖尿病があると非常に苦しい。セロクエル、ジプレキサが使えない。ひょっとするとニューレプチル細粒3mgが効いたかもしれないが、やはり転倒が怖かった。

前頭側頭葉変性症(FTLD)1
人道主義のケアマネが施設スタッフを疲弊させる

認知症の人の人権を守る。そういうことを私は十分わかっているつもりである。59歳男性、猛烈な大脳萎縮があるピック病。その施設も初めてのピックで苦労していた。そこにいたのが、初老の女性で、ものすごく人道的なケアマネだった。彼女は、いつも施設長とともに名古屋フォレストクリニックに患者とやってきた。

患者は、早く職場に復帰したいと訴えつづけた。私の質問には全く答えず改訂長谷川式スケールも不可能。体が大きく、こちらに迫ってくるので怖い感じもした。鼻息も荒い。いつも苦悶表情で近寄りがたい雰囲気だった。ほかの利用者も怖がっていた。診察が終わっても出て行ってくれない。

私は、ひたすら彼の不安と愁訴をとるために抑制系を処方し続け、施設長には、この患者が看られるようになれば施設もレベルが上がるからがんばれと施設天秤法を教えた。少しでも副作用が出てふらつくと、人道主義のケアマネが許さず、ヒステリックに名古屋フォレストクリニックにFAXを入れてきた。これではスタッフも私もたまらないと思った。

ピック病とは何かということがわからずに、患者の人権だけを訴えるケアマネの存在は浮いている。文学だけでなく医学も勉強し、スタッフや他の利用者の人権、医院への迷惑も考えられるバランスの取れたケアマネになっていただきたいものである。最近はようやく患者も落ち着いた。

前頭側頭葉変性症(FTLD)2
巨大なピック切痕

10か月通院している86歳男性。改訂長谷川式スケール12でシルバーカーを頼りに歩いている。同居の奥さんがリバスタッチを貼る能力がないということで、前医のメマリーを10mg以下なら継続してよいと説明し、フェルガード100Mを推奨した。

頑強な高齢者で、股間に40分ドライアを当てているという常同に近い行動があるという。その原因は、股間がべとついているという妄想のせいである。リントンを出したいところだが、朝0.3mg、夕0.5mgで効果がなかった。

リントンだけ増やすとパーキンソニズムの心配があるので、今度はウインタミン4+4mgを併用。易怒があるというので、3回目の処方はウインタミン6mg×2単独にした。結局、家族はこれで満足したので、ウインタミン4-6mgで継続とした。病理基盤はAGDと思われるが、ピック切痕が非常に大きいので紹介した。

前頭側頭葉変性症(FTLD)3
ぬいぐるみを手放さないのは、妄想のせいか二度童のせいか

グループホームで7年診てきた前頭側頭葉変性症(FTLD)である。外出、飛び出しが特徴の患者の、この方のために施設の庭に門を作らなければならなくなったほどである。しかし、対人接触はフレンドリーで暴力や介護抵抗はあまりない。飛び出し阻止のためにウインタミンが著効し、施設長から「ウインタミンLOVE」と言われたほどである。現在、夕方に5mg、ベンザリン5mg
寝る前だけの処方である。

スタッフが、子供が使っていたぬいぐるみを提供したところ、片時も手放さず、自分より先に食事を与えようとするという。ここ3年笑い上戸だが、CTを確認したところ、FTD-FLD typeではなくやはりピック病(側頭葉も萎縮)だった。人物誤認(?)、妄想、二度童、いずれの原因でぬいぐるみを子供と思ったのか考察が難しい。彼女は、子供歩きをするわけでもなく、大人のしゃべり方をするので二度童というかんじではなく、やはり笑い上戸である。言ってみれば、母性本能性妄想と言うべきものであろうか。

レミニールの話題1
CTを見なければよかった。診断に迷ったらドネペジルはダメかも。

アルツハイマー型認知症か前頭側頭葉変性症(FTLD)かどうもわからなくなる患者がいる。改訂長谷川式スケール21で遅延再生が5/6取れると、ATDの可能性はかなり低くなる。しかし彼女は若くはない。75といえば、まさにATDの後発年齢。しかも前頭側頭葉変性症(FTLD)の症状はまったくなく、易怒にはグラマリールが合いすだった。

私のスタンスは、迷ったらまずATDと考える。なぜなら頻度が多いからである。絶対にATDならドネペジルが一番安心である。安心というのは、用法用量を守らなければという前提である。しかし彼女はどんどん悪化。3回目の外来で早くもレミニールにスイッチ。4回目の外来で劇的改善を確認できた。こういった、思い切ったスイッチは、息子さんの病状把握が正確だから可能になる。

初回からドネペジルを処方したにもかかわらず、悪化してきたときは肝をつぶす。
はやく断ち切らないととんでもないことになる。こんなとき、ドネペジルを10mgに増やせというのがエーザイお抱えの教授の講演である。それをやったら一大事になったであろう。

中核薬3成分が、かように性質の違いを見せつける患者は多くない。選択を間違えると天国と地獄に分かれるということを思い知らされる患者を一日も早く教授連中に味わってほしいと思う。ほかの医師を指導する立場なら、自分が臨床をちゃんとできているか自答してほしいものである。答えは外来診察室にあり、教授室ではない。論文で教授に選ばれた人たちだから、そもそも無理な注文であろうが、患者がたまったものではない。臨床教授制度が普及するのを望みたい。

KONO METHOD INTERNATIONAL
日医ニュースが河野著書を紹介
スライド10
前略 随分ご無沙汰致しております。平素大変お世話になっております。さて、9月5日付日医ニュースに、河野先生のご高著「コウノメソッド流 臨床認知症学」が書籍紹介欄で紹介されておりました。ようやく日医もコウノメソッドを認めたという事でしょう。大変喜ばしいと思い、お知らせ致します次第です。

点滴療法1
シチコリン カット
日本南部の開業医が、シチコリン静脈注射を全員カットされたそうです。やはり数が多くなると目立つのでしょう。頭部打撲後の意識障害にだけ打つ程度ならカットはされないと思いますが、患者数が多い先生は、自費にしたほうが無難でしょう。地域によっては、なかなか自費が払えない患者も多く、この先生はグルタチオンは無料で打っているそうです。医師の工夫や好意は、簡単に台無しにされるものですね。保険で高額な危険な薬を山盛りに処方しても何も処罰は受けません。

抗認知症薬の適量処方を実現する会 実践的認知症セミナー
日時:2016年10月15日(土)午後5時~午後7時
場所:岩崎学園新横浜1号館リバブルホール(JR横浜線「新横浜駅」より徒歩3分)
講師:中坂義邦先生(新横浜フォレストクリニック 院長)
   平川 亘先生(池袋病院 副院長)
参加費:1,000円
お申込み(法人抗認知症薬の適量処方を実現する会HPより)
スライド11

ドクターコウノ2016年講演 
●11月5日(土)夜7:30-9時 徳島県臨床内科医会講演会(徳島県医師会館)
東洋医学的発想・アンチエイジングで認知症を改善させるーコウノメソッド解説ー
問い合わせ:ツムラ 書籍・DVD販売あり。高橋会長の意向で内科医以外にも広くお誘いしています。
●11月6日(日)朝10時―正午 徳島一般講演 徳島駅から徒歩10分「とくぎんトモニプラザ(300席)」認知症介護のコツーくすりの効用と副作用―
●11月30日(水)18:30-19:30 長久手南クリニック認知症勉強会
認知症患者の前頭葉機能を考える

ドクターコウノ2017年講演 
●2月26日(日)第三回認知症治療研究会(パシフィコ横浜)
●3月19日(日)NPO法人 くすり・たべもの・からだの協議会 静岡市 午後2:30から90分(理事長 山田静雄 静岡県立大学大学院薬学研究院)対象:一般市民、薬剤師など
●6月3日(土)19-21時 第4回認知症サポート医等連携の会(千葉県医師会館3階会議室)
●8月20日(日)正午 社団法人抗認知症薬の適量処方を実現する会 第三回特別セミナー 品川 演者:長尾、河野、平川

シン・ゴジラでステッカーを配布
スライド12
9月25日(日)シン・ゴジラを観に行った。3回目である。今回は、入場口でステッカーを配っていた。大雨で連休ということもあり、朝8:30ものすごい人が来ていた。高校生が多いのでほとんど「君の名は」が目的だろうと思っていたら、シン・ゴジラも満席になった。もちろんシアターは小さい部屋に格下げにはなっていたけれども。

東京が消滅し、日本がB級の国に没落する危機の中を、日本人ががんばる姿に、やはり涙を流さずにはおれない。脚本の意図をより深くつかみたくて3回の鑑賞は必要だった。3回目が一番感動した。3回目が一番泣いた。無能と思われた臨時の総理大臣が、やったこととは・・・

ハンテイングワールドのボブ・リー氏が死去
スライド13
高島屋名古屋店で、いまハンテイングワールドの新作コレクションを特設売り場で大々的に展示していた。そのとき、係員が ボブ・リーが最近亡くなったことを聞いた。ニュースになっていないが、健康だったのに急に亡くなったらしい。

ハンテイングワールドは、はやってもすたってゆく他のブランドと違い、力強く時代を生き抜いているという評価が多い。ボブ・リーは、鞄の耐久性を確認するために自ら同じバッグをぼろぼろになるまで旅行に持ち歩いていた。またジャングルの保護にも力を入れ、いつもチャリテイーに使う商品を販売してきた。

リオデイジャネイロには蚊がいなかった
スライド14
名古屋フォレストクリニックの患者さんの娘さんが、リオのオリンピック観光に行った。15か所くらい会場を回ることができ、蚊もいなかったという。

コウノレストランガイド6 名古屋駅のフレンチ:メゾン・ルパン・ミュラ
スライド15
大名古屋ビルヂング3階に八事から移ってきたフレンチである。客席数が1/4くらいに減ってしまったためかなぜ移動したのかという疑問がネットで寄せられている。あいかわらず繊細な作品づくりで女性客を魅了していた。

シェフと言うのは、明らかに芸術家である。飽きもせずに同じ絵を描き続ける人もいれば、飽きやすく、画法も妻もどんどん変える人がいる。私が抱くイメージは、シャフは飽きやすい人が多い。せっかく大成功したレストランなのに、ある日チベット料理に変えたり、場所を変えたりして大失敗する。そんなリスクがあっても変えないと気が済まないのだろう。だから名店は早めに行っておかないと消えてしまう。

三國シェフは大成功しているし客も大事にしているが、やはりメニューが古い。こういうものだと思ってミクニに行き続けておれば気づかないが、ほかの店に行くとわかってしまう。私が、どうしてもまた行きたいと思う店は、3つしか残っていない。それは、池下、八事、伏見になる。

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ついにスマホにしました
ガラケーを捨てて、iPhone7に変えました。LINEをダウンロードしたら、私のケータイ番号を残していた古いお知り合いが大勢入ってきて驚きました。現在、お付き合いしていない方々には、こちらからLINEでメッセージするつもりではなかったので無視してください。

介護通信 2016年9月4日

認知症ブログ H28.9.5(内容限定版55)

LPC症候群1
ALSとの遺伝子上の関連を疑わせるCBDの1例

女性。1年前から急激に認知症が進行して危なくて包丁も持たせられなくなった。ご主人に連れられてやってきたのだが、方向転換するときだけふらつく。しかしタンデムゲイトはできるし、F-Nテストで軌道修正したりしない。画像的にも小脳、脳幹の萎縮はない。

とにかくまったくしゃべらない異様さが目立ち、眼球が中央に固定し感情がないかのようだった。前医は2施設でMRIを行い、パーキンソンと言った医師はメネシット100mg朝を処方していた。もう1人は更年期障害と診断したという。確かに歯車現象は明確だった。足が出にくいとか振戦があるということはなくハミングバードも陰性。PSPとは思えない。

ただし、彼女の妙なところは、目を動かしてと教示しても動かせないという症状があった。私の教示の意味がわからないというより、脳が眼球を動かせという指令を出さないかのようだった。ご主人が言うには箸の使い方がわからなくなっている、自分からはしゃべらなくなったという。復唱をさせると声はだすが不得意な言葉は復唱できない。つまりPNFA-CBDである。

CTで確認すると、やはり前頭葉と頭頂葉が萎縮している。側頭葉は保存されているので、FTDP-17でないかぎり彼女はCBDに間違いないと思えた。残念ながらコウノカクテルも変化をもたらさず、よけいCBDの色彩が濃い。

対策は、メネシット100mgをドパコール50mg+50mgにすること、リバスタッチ2.25mg開始、NewフェルガードLA粒タイプ1-1-1とした。もし点滴があとで効いて来たら、10日ごとに来ていただく。

父親がALSで亡くなっているので、もしやFTD-MND typeかと身構えたが全く違っていた。ALSとCBDに遺伝子異常の共通点があるなら知りたい。ただ、私はマンチェスターのFTLD分類を破壊して、前頭葉変性群の前頭頭頂葉萎縮に、CBDとFTD-MNDをもってきた。そのが概念図は発見なので1日だけ公開してその後は非公開とした。いまではコウノメソッド医療者だけがNON ONLINE NEWSでそれを確認できる。その一致が不気味である。

Fujiokaらは、CBDを発端者とする家系に1例ALSを見出しているので紹介する。

A familial form of parkinsonism, dementia, and motor neuron disease: a longitudinal study Fujioka S et al. Parkinsonism Relat Disord. 2014; 20: 1129-1134.
抄録・解説 齋藤豊和 

CBDは、PSPや嗜銀性顆粒病、Pick病などと同じく、Tauタンパクが脳内に沈着するタウオパチーの一種。本研究では、剖検でCBDと確認された患者を発端者とする進行性神経変性疾患の大家系を対象として、発症者の臨床像、PET所見、病理所見、および遺伝的所見の検討を試みた。(方法)病理所見については発端者であるCBD患者の剖検脳を調べた。

さらに、発端者の末梢白血球からDNAを抽出し、Tau遺伝子MAPT、認知症関連遺伝子PGRN、パーキンソン病関連遺伝子LRRK2の全エクソンを解析したほか、FTDとALSの関連遺伝子C9ORF72のリピート配列異常伸長をスクリーニングし、他のFTDおよびALSに関連する遺伝子についてもスクリーニングした。

(結果)CBD患者の家系5代64例のうち、CBD発端者を含む8例に神経変性疾患が認められた。CBD発端者は64歳時に進行性の構音障害や言語障害を発症。5年後に死亡。神経病理学的検査の結果はCBDに合致、大脳皮質および皮質下にアストロサイトプラーク(アストロサイトの末梢突起におけるTauの蓄積)。

他の神経変性疾患発症例
も7例すべて進行性であり、2例が行動変容を伴うPD、2例がPD単独、1例がALS、1例が認知症、1例が進行性の歩行障害および構音障害。この他3例にわずかな神経学的徴候が認められた。ただし、この3例に本人の訴えはなく、いずれの神経変性疾患診断分類にも該当せず、PET検査によっても特に異常なし。

CBD発端者のDNA解析の結果、MAPT、PGRN、LRRK2、C9ORF72を含む既知の神経変性疾患関連遺伝子に変異は認められなかった。(考察)以上のようなPD、認知症、および運動ニューロン疾患の複雑な表現型を示す神経変性疾患の家系はまれであり、既知の遺伝子変異をもたない新規の家系が明らかになった。(コメント)CBDの確定診断は病理解剖に依存する。CBDの疾患概念は臨床像に関連する病変分布を有するもの(CBD)から、病理学的にTauタンパク陽性病変の形態を呈する疾患(CBD症候群)に広がりを見せている。

ただしCBDにみられるTauタンパク沈着は神経原線維変化やPick病とは形態的、生化学的に異なり(CBD-tau細胞病理)、CBDは広汎な臨床、病理学的な問題を抱え、PSPなど他の神経疾患と多くの点で共通、類似の症状や病態を呈する。CBDで常に鑑別診断に挙がるPSP、Pick病では家族性発症はまれであり、PSPではTau遺伝子変異をもつFTDP-17家系でPSPに類似する表現型を示す例の報告やTau遺伝子に連鎖せず、連鎖解析で第1番染色体に遺伝子座が見い出された常染色体優性遺伝性PSPの大家系がある。

CBDでは遺伝性家系の報告はないと思われる
が、本報告のような家族性CBDと考えられる少数例の報告はあり、家族性Tauタンパク陽性の家族にCBD、PSP等がみられる報告がある 。

臨床像に加え、病理学的、生化学的、分子遺伝子学的な検索が進み、今まで孤発性の多系統萎縮症(MSA)の域を出なかったMSAに多系統多発家系が見い出され 、常染色体劣性遺伝性が想定され、COQ2遺伝子がこの家系の一部で病因遺伝子と結論し、日本、欧州、北米の758例サンプルの解析で有意な関連性が明らかとなった 。

今後遺伝子解析により孤発性のCBDでも病因遺伝子が見つかり、また本報告のように家族内で認知症、運動ニューロン病の存在まで明らかになってくる可能性がある。

小児精神医学1
多動症に小児用ピックセットが劇的奏功

1年1か月前に5歳児が初診した。私が診ていた認知症の方の曾孫さんである。ひらがなやかたかな の暗記は早く、図鑑は全部覚えているという天才である。ピック病に似ているなと感じたのは、発表会で人が多いと走り回る(被影響性の亢進)、立ち去り行動、暴力である。

フェルガード100M半分2回、5歳にウインタミンを飲ませるわけにはいかないので代替品として思いついたのが苦くない漢方、ツムラ甘麦大棗湯(半分×2)だった。抑肝散の代替でもある。それを半分×2とした。

5月に暴力がでているということなので、漢方を1回1包に増やすように祖母に指示したのだが、すぐには増やさなかったようである。8月30日に再来し、場所をわきまえずに暴れる、叩く、しまいには医師まで蹴ったところで、ようやく指示通り増量。その結果1週間後にはずいぶんおちついたという。私もナースも彼の変わりように驚いた。

相手の目から視線を離さずに穏やかに謙虚に会話する。最後にはお礼まで言ってかえっていった。ものすごく才能があるので高機能アスペルガーのニュアンスもあり、芸術面などで才能を伸ばせば、大物になるだろうと家族に説明しておいた。幼少時を多動症かアスペルガー症候群かの鑑別を無理にする必要はないと思っている。幼少時の場合はとりあえず多動症と診断したい。

混合型変性疾患1
アルツハイマー型認知症+パーキンソン病は本当にいた(1)

70歳から77歳まで7年間通院している男性で問題行動はなく、いわゆる単純認知症型のアルツハイマー型認知症と考えていた。初診時の改訂長谷川式スケールは16で、遅延再生は3/6。
CTで海馬萎縮は少ないが、ピックやレビーの症状は一度も出なかった。

この若さでSD-NFTとも考えにくく、最近はドネペジル8mg、メマリー10mgを処方していた。9月に入って彼は、質問すると激しく右手を震え始めた。歯車現象もありパーキンソン病そのものだった。レビー小体型認知症とは考えにくく、ドネペジルを5mgに落として、しかも危険分散で2.5mg×2とし、ドパコールチャレンジを始めた。

よく病理学者がレビー小体型認知症のことをアルツハイマー型認知症+パーキンソン病の組織蔵と表現することがあるが、それは違うだろうと思っていた。2疾患が別々に発病することはないだろうと思っていた。しかし彼は、7年間純粋な認知症で、現在は片側性振戦―つまり薬剤性パーキンソニズムではなくパーキンソン病が出てきている。

10年間パーキンソン病で認知症が加わるならPDDであってDLBとはかなり違う。DLBで片側優位な振戦というのは出ない。PSP-Pでもこういうことはないと思う。7年間認知症だけ先行する変性疾患というのは思いつかない。ましてやピック病やアルツハイマーの二次性パーキンソニズムではない。

同じ患者が7年通院してくれたおかげで、やはりそういう人はいるのだと教えられた。しかも同じ日にもう一症例初診してきたのである。次に紹介する。

混合型変性疾患2
アルツハイマー型認知症+パーキンソン病は本当にいた(2)

入室してきた瞬間にパーキンソン病とわかった。激しい振戦でアームスイングはまったくない。しかも左手優位で典型的なpill rolling tremorである。もはやレビーとかPSPという話ではない。声も小さい。

ところが改訂長谷川式スケールは4点しかとれず、アプロウズサインは陽性。つまり前頭葉機能は低下している。お肉を食べてくださいね、と言うと「嫌です!」と強硬に言ってくる。この強情さや記憶低下はPDDではないだろうと思う。CTではアルツハイマー型認知症の合併と考えられた。

その証拠にアリセプト5mgで振戦がひどくなり、3mgに落としたら頭がすっきりして調子がよいという。医師は3mgでは少ないからメマリーを併用しようとしたところ、記憶はひどく悪化したという。パーキン系なのでメマリーは冒険だった。アーテンが出されたときもおかしくなったという。アリセプトはまさに、アルツハイマーの存在を知らせるリトマス紙である。

ネオドパストン100mg錠を半錠3回処方するなど、かなりレベルの高い処方がされていた。しかし治したくて来院されたのだからやはり、アリセプトはリバスタッチに変え、無料点滴(グルタチオン3000mg、ビタミンC1000mg)を20分行うと、本人は楽になったと言った。今後はグルタチオン前駆物質サプリを服用してもらい、地元の実践医で点滴をしてもらうことにした。

左手が不器用になったというので、ひも結びをしてもらったが、弱い筋力ながら可能だった。構音障害などのCBDとの証拠はなく、アルツハイマー型認知症+パーキンソン病ととらえている。CBDの萎縮パターンは、前頭頭頂葉だが、彼女は頭頂葉だけ萎縮しているのである。

ちなみにレビースコア8.5、ピックスコア5.5だった。LPC症候群ということになるが、アルツハイマー型認知症+パーキンソン病の経験は少ないため、この解釈が難しい。

前頭側頭葉変性症(FTLD)1
アパシー系なら興奮系でもよい

改訂長谷川式スケールは17で遅延再生は6/6でアルツハイマー型の可能性は薄かった。肘にはファーストリジッド(最初の屈曲のときだけ抵抗があること)のみで明確なパーキンソニズムもなく幻視、妄想はなかった。

前頭葉表面は脳回が消失し、側脳室のCMIは24.9%とスリムすぎるので両側硬膜下水腫と思われた。海馬萎縮は0.5と穏やかでレビー小体型くらいの萎縮である。ピック症状はないため、病理基盤はアルツハイマー型なのかもしれず、一番大事なことは彼女が必要としているのは興奮系だということだった。

絶対に前頭側頭葉変性症(FTLD)というわけでもないが、ドネペジルから試すことにした。レミニールで食欲が落ちるのも怖かった。ドネペジル1.5mg、ニセルゴリン2錠。念のため5日間のみペロリック10mgを併用とした。

1か月後、自分で内服するようになり、食欲も出てきて、アパシーも解除されていた。ドネペジルは2.5mgに増量した。(効いたら増やさないのが原則であるが、あまりにも少ないので1段階だけ増やすことにした)。フェルガードは服用していない。成功した理由は、ドネペジル少量と脳血管拡張をさせたことだと考えられる。いきなり3mgだと大失敗していたであろう。

前頭側頭葉変性症(FTLD)2
ぜったいにピック!だと思ったらCT所見はアルツハイマー型認知症

コウノメソッドでは、たとえ病理基盤がアルツハイマー型認知症と思われても症状がピック病ならピック病だと積極的に誤診したほうがよいという考え方をする。しかし、これだけ典型的なたらこの側脳室、後方型萎縮を見せつけられると、病理基盤はアルツハイマーを推定せざるを出ない。これこそアルツハイマーのフロンタルバリアントなのだろうと思った。もちろんドネペジルは禁忌だし、前医が処方していたレミニール12mg×2はすぐさま全廃させた。火を噴くような怒り方だった。

整形外科1
「スキー軍団」は、90%股関節が悪い

杖を両手に使っている高齢者の場合、9割以上の確率で杖を使う理由が股関節のトラブルによるものである。それは、スキー軍団の方々全員に聞いたからわかった。おひとり、多系統萎縮症で2本杖の方がいたがそれは例外的である。変性疾患の歩行障害では2本杖でもバランス上危ない。

開業医は多くの患者さんを診察しなればならないので、スキー軍団が入室してきた瞬間に「股関節が悪いのですか」と聞いて「そうです」と即答してもらったほうが時間の短縮になる。

LPC症候群1
スキー軍団でCBSの疑い

彼女もスキー軍団の1人。股関節が悪いのだという。その話とはまったく別であるが彼女は皮質基底核症候群ではないかと思われた。もし歩行に障害が出てきても股関節が悪いので評価が難しくなるだろうと感じた。

KONO cocktail1
NACは人類を救うのか?
名古屋フォレストクリニックではNACの販売を始めた。もともと抗酸化物質の前駆体であり、胃酸で不活化されずBBBを通過するもようである。先日の某研究会で神経内科医が推奨していたので卸した。価格的にもリーズナブルで点滴療法に通院するのが苦痛な方は試してみるとよいであろう。もちろん私も内服している。


耳鼻咽喉科1
小林製薬「ナリピタン」は耳鳴りに効くのか?
85歳男性で8年以上通院しているアルツハイマー型認知症の方である。耳鳴りに対して、カルナクリン、五苓散を処方しているが、市販薬のほうが効くというので、商品名を聞いてみた。

本当に効いているのか判然としないが、90錠で2000円。その有効成分は、ニコチン酸アミド、パパベリン、ビタミンBである。前二者が血行改善、ビタミンB群は加齢によって衰えた神経の調子を整えると書かれてある。副作用として、再生不良性貧血、無顆粒球症が稀にありうるとのことである。ナリピタンがよく効くのなら、コウノメソッドに記載したい意向だが情報を待ちたい。名古屋フォレストクリニック FAX 052-624-4005

NHKためしてガッテンの説明によると、耳鳴りは加齢によって必発の宿命だという。つまり聴力が衰えるためセンサーを過敏にするため余計な音まで聞こえるようになるのだという。それを治すには聴力を上げるのが一番。ただ、補聴器は高額なだけで効いたという話をあまり聞かない。受話器式を持っていた患者を2人知っているが、これは有効のようだった。

アンチエイジングで治るものなら、Nアセチルシステイン(アメリカのサプリメントでグルタチオンの前駆物質)が奏功するのではないかと思うがいかがであろうか。グルタチオン点滴後に全盲の患者が光を感じると言ったことはある。

逆に聴覚過敏と言う病態がある。8歳以下の多動症で、耳栓とかヘッドフォンを付けていた子供さんを3人知っている。これは、やはり甘麦大棗湯で神経を鈍らせるということになるであろうか。


スライド9

ドクターコウノ2016年講演 
●9月25日(日)日本ホスピス・在宅ケア研究会主催 黒田裕子記念神戸フォーラム 神戸コンベンションセンター国際会議場大ホール(700名)14:00-16:30 コウノメソッドで認知症の人も地域で暮らせる。上記研究会のHPから申し込み。DVD2本お見せします。どんなことがあってもお越しください。人生観が変わる1日に乾杯!
会員3000年 非会員4000円(25日のみ参加なら-1000円)。24日(土)17時以降の懇親会(5000円)に私も参加します。問い合わせ:事務局(梅垣) 電話078-335-8668 
kobe@hospice.jp

●11月5日(土)夜7:30-9時 徳島県臨床内科医会講演会(徳島県医師会館)
東洋医学的発想・アンチエイジングで認知症を改善させるーコウノメソッド解説ー
問い合わせ:ツムラ 書籍・DVD販売あり。高橋会長の意向で内科医以外にも広くお誘いしています。
●11月6日(日)朝10時―正午 徳島一般講演 徳島駅から徒歩10分「とくぎんトモニプラザ(300席)」認知症介護のコツーくすりの効用と副作用―
●11月30日(水)18:30-19:30 長久手南クリニック認知症勉強会
認知症患者の前頭葉機能を考える

ドクターコウノ2017年講演 
●2月26日(日)第三回認知症治療研究会(パシフィコ横浜)
●3月19日(日)NPO法人 くすり・たべもの・からだの協議会 静岡市 午後2:30から90分(理事長 山田静雄 静岡県立大学大学院薬学研究院)対象:一般市民、薬剤師など
●6月3日(土)19-21時 第4回認知症サポート医等連携の会(千葉県医師会館3階会議室)
●8月20日(日)正午 社団法人抗認知症薬の適量処方を実現する会 第三回特別セミナー 品川 演者:長尾、河野、平川

認知症治療研究会1
第三回研究会から公募演題(3人枠、1人10分)募集中
平成29年2月26日(日)にパシフィコ横浜で第三回認知症治療研究会が行われる。第三回研究会から公募演題募集。応募資格は会員限定、職種を問わない。選ばれた3名は1人10分が与えられる。発表内容は、治療、予防、介護、基礎、診断など特に制限はない。
●発表内容を1000字程度にまとめて事務局にメールする。
●締め切りは平成28年9月14日(水)。応募多数の場合は世話人で選考する。
●発表内容は、研究会誌に掲載される。(掲載誌は国会図書館に寄贈される)
●マスメデイアが多く集まる研究会なので、世間に発信したいことをぜひエントリー願いたい。

スライド10
介護保険1
介護保険料 負担対象がすべての働くに人に拡大か
8月31日のニュースで、10年後には介護保険にかかる費用が2倍になるため、いまの保険料徴収対象を40歳以上から、すべての労働者に拡大したいとの厚労省の考えがあることが報道された。つまり中卒で働いている10代の若者すら徴収されることになる。将来の自分に払われる年金の保証もないのに、気の毒なことである。

私は、お年寄りの介護に使う費用は、お年寄りへの医療費を節約した分から回すのが妥当と考える。削減しても患者の幸福にほとんど影響がでないものと言えば、認知症の病型鑑別に使う脳血流シンチ、DAT scanである。保険適応を直ちに停止し、検査希望者から半額徴取するというのはいかがであろうか。こういう無駄な検査をやめればすぐに介護費用がでるのではないだろうか。

小野薬品の肺がんの治療薬が、1人年間3500万円かかることが問題視されていたが、ほかの癌への適応拡大で使用者が急増することを見越して、わずか4か月で薬価見直しがされたのは、すばらしい英断であった。というか最初の薬価自体が愚かなのだが。

レビー小体型認知症への適応取得でせっかく半額の医療費に落ちていたドネペジルが、高額なアリセプトしか処方できないという異常な規則は、無駄な医療費高騰の象徴であり、直ちに解除してほしい。エーザイはすでにアリセプトで十分な体力を得ており、レビー小体型への治験でかかった費用は、すでに回収済みと判断してよかろう。

またパーキンソン病治療薬のトレリーフ(1084円)も事実上の薬価(エクセグランで同じmgなら9円)でよいはず。このように製薬会社に流れる詐欺的な薬価を介護保険に回せば、10代の青年から金をとる必要はない。製薬会社と人事の流れで癒着している厚労省の判断が正しいはずはなく、財務省にも判断させたらどうか。

認知症の事典。4刷りが決定。累計で2万4060部。

介護通信 2016年8月15日

認知症ブログ H28.8.15 (内容限定版52)

サマーセミナー1
コウノメソッド実践医になってください
スライド1
コウノメソッド実践医は平成20年から登録がはじまりました。加入条件は、ドネペジルの少量投与ができる、シチコリン注射液を持っている、できればグルタチオン注射液ももっている、のみです。

加入後の義務は、毎週認知症ブログにざっと目を通すこと、名古屋フォレストクリニックの患者さんが来られたとき、紹介状なしでも快く診察していただくことです。もちろん紹介状がない場合に私のお返事を書く必要はありません。お互い事務的な時間を浪費しないためです。

権利はメールで私へ質問ができることです。改訂長谷川式スケール、レビースコア、ピックスコアを報告すれば、どのような患者かわかります。質問は、どうしましょうかと丸投げするのではなく、自分ならこうするが、これでよいかという進歩が見込める質問のみ受け付けます。ブログを読んでいないと思われる方には、読んでから質問するよう促します。コウノメソッドと異なる処方で効かないというのは、自分で治すことです。

実践医のほとんどがCTやMRIを持っていません。それでも医療が成り立つ理由は、必要最低限の問診、診察から85%は鑑別診断が可能であり、家族の求める薬種をオーダーメイドで処方しているからです。コウノメソッドの三本柱、介護者保護主義、家庭天秤法、サプリメントなどの活用はこれで実践されています。

認知症は完治できませんし、アルツハイマー型認知症改善薬だけでは35%くらいしか改善の実感がわかないと思います。それを65%に引き上げるにはフェルガード、プロルベインDRとコウノカクテルの併用が望ましい患者がいます。一般の医師より改善率が高いのは、間違った処方をしないことと、一部自費で行うからです。

サプリメントは、いまや科学の時代となり厚労省も医師が確かなサプリメントを推奨することに背中を押しています。医院で販売することを規制してはいけないという通達も出ましたし、毎年10月1-7日の1週間の間に各地域の厚生局に1年間の販売実績を報告する義務もあります。医療費削減、予防医学の普及のため、医師が確かなサプリメントを推奨したり、患者からの質問に答えられる知識を持ったりすることが必要になっています。それは厚労省の暗黙の指示ととらえられるでしょう。

なぜ鑑別診断できるのか
改訂長谷川式スケールのどの項目で失点するかによって、ATD、DLB、VDらしさが感じられます。順に遅延再生以降の後半失点パターン、数字関係不得意パターン、まだら失点パターンです。また歩容観察によって、クローズドスタンスはPDD、ワイドベースはNPH、VDが感じられますし、着席時に傾斜する方向が横ならDLB、後方ならPSP、前倒れならCBDというイメージを教育しています。

診察室に入った瞬間にびっくり眼(まなこ)でピック感を感じ、アームスイングがあるのに額にけがをしているのはPSP、また構音障害はPSP,MSA,CBDで発生します。一部の神経内科医よりコウノメソッド実践医のほうが、真実に近い診断に肉薄できる理由は画像に頼らず、患者に感じられるかすかなヒントを蓄積し診断するからです。こういった手法は、「患者の体と対話する」と表現されます。これは臨床医の在り方の基本でもあり、医学生にも教えたいことです。

退化する医療
対話することで個別化医療ができるわけで、近年症状を軽視した西洋医学的診断のもとで、エビデンス主義の処方を盲目的に行われるため、副作用のオンパレードとなっています。

画像診断の進歩、取り扱いの難しい新薬の急増、エビデンス主義によって医療の質(改善率、満足度、費用対効果)は年々退化しています。副作用の回避は患者家族個々の機転・工夫、あるいはケアマネジャーの人智によって達成されるのが現実です。コウノメソッドでしかこの危機を脱する方法は見つかっていないと思います。

治療方針に直結した患者分類
その後、ピックスコア、レビースコアをつけることで、鑑別診断はより強固なものになります。すくなくとも何を処方すべきかの方針が立てられます。ピックスコアが高いと陽性症状には抑肝散でなく最初からウインタミンです。(肝障害がないこと)レビースコアが高く、とくに傾眠、せん妄があればすぐにシチコリン静脈注射を打ちましょう。この最初の一手で、ほかの医師とは違い初日から改善の感触が家族に感じられます。

コウノメソッドはDLBとピック病でとくに力を発揮します。最近は神経難病にもコウノカクテルが威力を発揮しており、まったく治せなかった患者にも希望が与えられるでしょう。グルタチオンだけで歩行改善を狙うより、シチコリン、ソルコセリルの配合比を変えることで改善する患者の割合は、さらに40%アップしたと思います。MSAにおけるシチコリン250mgの隠し味も大きな発見の一つでしょう。

推奨薬の限定と用量設定の細やかさ
私や認知症治療研究会は、製薬会社と関係を結ばないようにしているので、危険な新薬をむりに押し付けたりはしません。50年以上も前の薬価の崩壊したような薬でも推奨し、つかいこなしの難しい枝葉的なパーキンソン病治療薬は、すべてぶった切りました。

そのことによって、初心者でも認知症を治す組み合わせがシンプルになり医師がパニックにならないようにしました。しかも病型別に処方する優先順位や治療窓も提案しています。このような数字を具体的に示せるのは、多くの患者さんから得られた経験です。

ここ10年でおきる認知症爆発に向けて、まったくの素人が認知症治療にも参入していただくために、短期間でコウノメソッドを覚え、半年くらいで独り立ちしていただきます。30年の私の経験をすべて差し上げています。

抑制系
ATDとVDにグラマリール。DLBに抑肝散。ピック病とSDにウインタミン(肝障害には禁止)。これが第一選択群。妄想にはセレネースが第一選択でリスパダールは原則禁忌(屯用のみ可)。

第二選択群は、ATDとVDがセロクエル(糖尿病には禁止)、ピック病にはセルシン、セロクエル、奇異反応にはニューレプチル。

用量設定ですが、最小量はウインタミン4mg、セレネ―?が0.3mg、クエチアピン「アメル」が12.5mg錠、ニューレプチル細粒が3mgです。こういった調剤を薬剤師に苦労させて指示します。ニューレプチルの最低用量は元来5mg錠ですが、強すぎて(寝てしまう)使い物になりません。しかし、数少ないセロトニンブロッカーとして、凶暴なピック病への最後の砦になります。ほかのドパミンブロッカーに奇異反応を示す患者には必要になります。

PD治療薬
パーキンソンニズムには、①ドパコール(メネシットの後発品)、②ぺルゴリド(心雑音には禁止)かマドパー。昇圧と最初の一歩のためにドプス、レストレスレッグにビシフロール、アパシーにシンメトレル。そのほかの薬は、自分から処方するということはしない。

コウノカクテル
グルタチオン、シチコリン、ソルコセル、ビタミンCを患者が改善する配合をみつけておこなう。グルタチオンが入手困難な時期は、先発品タチオンを購入してください。先日テレビで美容への効果が放映されたようで、また買い占めが起きています。購入実績を積めば卸問屋も優先して後発品を回してくれるようになります。

シチコリンハイテンションがなぜおきるか、グルタチオンによるインスリン自己免疫症候群とはなにか、思い出せないならネットで今一度勉強しておいてください。

フェルガード、プロルベインDR
コウノメソッドで積極的に推奨しているのは、この2種だけです。推奨条件は、保険薬より効果があるという点です。つまり自費を出してでも患者にメリットがあるというお墨付きです。当然院内販売は法律で許可されており、10月1-7日には各地の厚生局に年間販売実績を報告します。

変性疾患に対して長期戦を戦えるのはフェルガードだけ。動脈内腔を構造的に改善できるのはプロルベインDRだけです。もちろん、私が自分で飲んでいるサプリメントしか推奨しません。

コウノメソッド実践医は、これらサプリメントを導入する義務はありません。第三の柱である「サプリメントの活用」を履行するために、患者からの質問に対してフェルガードのどの種類をどれだけ服用すべきかを助言できる知識を持つことが義務付けられます。わからないときは、メールで相談すればいいです。その場合も知識皆無と思われるなら勉強のし直しを助言します。

コウノメソッド実践医は、実力がついたから公表するのではなく、未完成の医師が患者さんから勉強したいから公表する制度です。しかし、認知症ブログ、コウノメソッド最新版、コウノメソッドの医学書、講演会などで半年以上コウノメソッドの診療法をイメージとしてつかんでいる必要はあります。

未公開のコウノメソッド実践医(隠れ実践医)は、社会的には活躍の範囲が狭いと思います。私だけが知っていて、最寄りの患者が名古屋フォレストクリニックへ来られたときに受け皿として紹介しています。いずれ公開できるよう努力願います。勤務医が、世間の無理解によって公表できないことは承知しています。ずっと未公開でも仕方がないとわかっています。

名古屋フォレストクリニックの見学
受け入れていません。最近長時間しゃべるとせき込むことがあり、見学者への説明に声を使えません。3種類出されているDVDを繰り返し見て、外来の雰囲気をつかんでください。問い合わせ:グロービア

オリンピック 
ひときわ感動する逆転金メダル
あの怪物のような萩野(栃木)が個人メドレーのあとで、疲れたと語った。内村(長崎)の個人総合は最後の鉄棒の演技で逆転の金メダルをとった。疲れ切りました。出し切りました。もうなにも出ないほど出し切ったと語った。ずっと腰が痛いというしぐさをしていた。私は、日ごろ仕事にすべてを出し切っているだろうかと疑問に思った。

坂井(福岡)の200mバタフライ。5位から2位に上がり、怪物マイケルフェルプスを4/100秒差まで追い詰めた。鈴木大地(千葉)の指の間に水かきがついているのは有名だが、坂井は肩関節をはずして10cm腕を長くできるという。

話は内村に戻る。体操教室を経営した両親のもとで育ったが、母親の周子さんは体操を強制したわけではなく、平成の時代をまっすぐに生きてほしいと航平と名付けた。しかし、キャスターから平行棒の平がついているからやっぱり体操でしたねとつっこまれた。

周子さんの言葉には重みがあった。銀は「金でも良い」、銅は「金と同じ」と書く。金メダルでなくても立派なことと。しかし息子は金をつかんだ。極限の状態で、完璧な着地を決めた時、会場が静まりかえり時間が止まったように感じた。飛び上がる日本応援団の中で、周子さんだけが口を開けて呆然としていた。極限の喜びと言うのだろうか。喜びを超すと人は固まってしまうのだと知った。

お家芸の日本柔道が銅メダルばかり続いた。しかし、本当の日本柔道「一本勝ちでなければ勝ちではない」という精神で戦って敗れるなら私はそれでいいと思う。昨今は、ポイントを稼いで逃げ切るという卑怯な戦法が国際化した。日本の伝統的な競技は、すべて精神性と一体である。世界の若者が、その精神性と技のきれと美しさに魅かれて柔道を始めたはずであるのに、国のためといってコーチや国全体でドーピングをさせたり、卑怯な戦法を伝授したりするというのは、とても悲しいことである。

コーチは教師と同じ。サラリーマン化してはいけない。その点、試合中でもライバルの日本人選手には内村にも加藤にもタッチを求めていたウクライナのコーチはすがすがしかった。美しいものは素直にほめるという精神性があるから東京のオリンピックでは個人総合はウクライナが強敵になると思う。ライバルがインチキをする国(A,C,R)でないというのは、うれしいことだ。

そのような時代において、あと1勝で金メダルという戦いにおいてもあくまでも1本をとろうとした大野選手、ベイカー選手の金メダルは、外国の選手がとった金メダルよりはるかに重いと信じたい。パワーで圧倒される重量級で田知本選手も技を見せた。日本選手の柔道は、ほんとうに見ていて楽しく柔道のすばらしさ(瞬時に相手が空中に飛ぶマジック)にくぎ付けになる。海外選手同士の対戦は、日本人でないからではなく柔道ではないから一切見ない。時間の無駄だ。井上監督の涙には感動した。男子は全階級メダルを達成。準決勝に弱い一面も出たが、いままでの大会を思うと大躍進だろう。

女子体操はずっとずっと氷河期だった。ロンドンでもオリンピック出場だけで精一杯だった。今回3位にいたところを4位に逆転されたが、ロシアがすばらしすぎた。やはりノーミスということは大事である。全員が集中力を保つということ、美しい演技をするということだと思う。

カヌーの銅メダル、10年間留学、世界第一人者のマンツーマン指導という修行僧のような準備が結実。誰にもまねできない努力だった。7人制ラグビー男子も大躍進した。日本はワールドカップ開催国として恥ずかしくない。

ブラジルのオリンピック開催ということで、サッカーワールドカップではぼろがでなかったものの、今回はトラブル続きで、選手の体調管理にも影響しただけに、開催資格を与えるべきではなかった。飛び込み用プールに藻が生えるとか、選手村のシャワーが水だとか信じられないことで、いい加減にしろといいたい。キャスターがいうには、報道されない不手際は数え切れないほど多いという。

ゴルフ場の池にワニがいるなどということは許し難い。松山が出場を見合わせたのもIOCへの抗議の意味ではないだろうか。バッハ会長自身がロシアに屈するという不手際をするのだから救いようがない。脅迫されたのなら、辞任してプーチンに抗議すべきだった。代表と言うのは、品格と清らかさが必要である。

南半球でもスポーツを広げるというIOCの考えは十分理解できるが、選手は人生をかけているということも同じぐらい重視されるべきと思った。IOCが自分たちの立場のためだけにブラジルに決めたとするなら、やはりIOC幹部が責任をとって辞めてほしい。とくにロシアの出場問題でドーピング監視組織の調査を無視したバッハ会長はその筆頭である。

最近観たDVD-ヒトラー最期の12日間―(ドイツ、2004)
ヒトラーはパーキンソン認知症だったのではないか。
アカデミー賞外国語部門にノミネートされた作品である。ヒトラーは夫人と心中したが、遺体が発見されていない。ヒトラーの秘書がすべてを語ったことで、当時大騒ぎになった。この映画ではヒトラー夫妻の遺体をどう隠したかも克明に描かれている。

アドルフに告ぐ、を書いた手塚治虫の没後15年に公表された映画。彼はさぞこの映画を観たかったであろう。ヒトラーがエヴァと地下壕で結婚するとき、神父から「あなたはアーリア人で間違いないですね」と確かめられ、横にいた将校は神父に「失礼なことを言うな!」となじる場面があり、どきっとさせられる。ヒトラーのユダヤ人説を扱ったのが手塚作品だったからである。

ドイツの政策らしく、最後に現在存命中の秘書本人(老婆)がインタビューに答えるフィルムもまじめに入っている。「私はユダヤ人600万人の虐殺は、自分とは関係ないと思っていたが、亡くなった人のリストを見た時に、自分と同じ22歳の女性が処刑されたとの記載を見つけた時から、ナチスの責任というものがわかった」と述べている。

ヒトラーのパーキンソン症状は明確に描かれている。最期の「味方が助けに来てくれる」という妄想は、パーキンソン認知症だったことを表しているのかもしれない。

日本人とドイツ人は精神性が似ているようで、降伏はせずに自決するように言われていた。ドイツで作られただけあって戦車以外は、本物志向で再現されていた。歴史研究者には見逃せない映画といえる。

最近観たDVD―フォレストガンプ/一期一会(アメリカ、1994)
アカデミー作品賞。知的障害のガンプ(愚か者と言う意味の方言)は、日本で言う裸の大将、山下清画伯である。すべての面で健常者より劣るということはなく、ある一面で秀でた才能を秘めている。

いじめっこから逃げるために足が速いことに気づいた。その能力で大学にスポーツ推薦を受け、フットボールのスター選手に。その後陸軍に入隊してベトナムへ。無二の親友を失ったが、彼の夢を実現するための漁船を購入。漁業の素人がすることではない。はたから見ると無謀な失費である。ところが数千回の失敗ののち、エビ収穫のコツを覚えて富を築き、足を失った上等兵が酒におぼれる人生から救い出した。

彼に接触した人たちがみな幸福になっていった。ダウン症をもつ親が、子供のおかげで優しい気持ちになれたというような発言をすることが多い。それは強がりではなく本当にそうなのだろうと思う。

ガンプは、バス停のベンチでとなりに座った見知らぬ人に自分の生い立ちを話し始める。みなバスに乗ってゆくので、となりの人はどんどん変わるのだが、構わず話し続ける。その話に合わせて回顧場面が流れるのだが、この手法は黒澤明監督「生きる」と同じ。主人公の役所市民係で胃がんで亡くなった初老の男(志村喬)の葬式の日に、彼を知る男たちが彼の足跡を語る。

私は幼少時に発達障害者に絵画を教える教室に通って絵を習った。この教室出身の山本義彦氏の油絵(花の大作とサザエの少作)は実家に飾ってあった。もちろんプロの作品として名前が同じだった父が購入したすばらしい作品だった。

ピック病は常同行動を特徴とするが、その粘り強さを利用して社会参加させるという試みがある。日本を代表するポップカルチャーの旗手も繰り返しパターンの作品で名をはせている。あるいは彼女の集中力は、そういった右脳での特異な発達によるものなのであろうか。ゴッホも棟方志功も1日1作品以上のスピードで大量の作品を制作していった。

「飽きない」というのは、健常者では見られない特異性である。社会的に「異常」「病的」と認識されても、それは芸術などほかの分野から見れば「才能」であるわけで、芸術家に社会性を強制することはなかろう。いわゆる「社会的尺度で測れない」人たちを蔑視しない、規制しないことが国の豊かさであろう。

目の不自由な方は、聴力が上がると言われる。合わなかった眼鏡も知らぬうちに合うようになる。それは脳が情報処理を環境に合わせて変えてゆくからである。脳の成長は20歳までに完成すると言われるが、脳卒中後のリハビリなどで初老であっても脳は変わってゆく。

ガンプに嫁が来るはずがなかった。しかし父親の性的暴力で一生トラウマを引きずり、運命に流されてゆく女性にガンプの子供ができる。彼女はガンプが幼少時にはじめて優しくしてくれた人間。ガンプはこの最初の味方と結婚すると決め、一生その思いを通した。彼女は病死するが、残された息子を毎朝スクールバスの停留所まで送り、帰るまでそこで待っている毎日である。この生活は修行僧かのようであり、しかし人は人生の壁に当たるとこういう行動をするものである。

いつも誰かをだまして陥れようとしてきた人間が、逆に裏切られると、心のよりどころを失い宗教に逃げてくる。しかし、いつもバス停留所にいて大事な人を待ちつづけるガンプの姿を見つければ、彼の純白な姿に心打たれ、神を感じるに違いない。

この映画は、人間は知恵を悪いことに使ってはならぬという教え。歴代の大統領が暗殺されるという愚かな国のむなしい映像も、歴史上最悪のジョンソン大統領にガンプが尻をみせる脚本もアメリカ国民に向けた強いメッセージを込めた作品だった。

やっぱり出た!伊勢サミットのオフレコ情報満載!
いま、賢島といえば伊勢志摩観光ホテル、ジアース、ばさら亭が人気トップ3である。前2者は予約電話が、予約開始日数分でも取れなかった。我々が泊まったホテルは築9年で要予約の露天風呂がすばらしかった。部屋にも露天風呂がついているのだが、予約するほうは1時間貸し切りでおそろしくすばらしかった。最新の月の宮を選んで夕方4時に入りに行ったのだが、月をイメージして天井が丸く空いている。周囲は竹なのでかぐや姫のイメージのようだ。周囲は真っ白な石で敷き詰められ、まるで美術館にいるようだった。

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部屋に来てもらった指圧師が、サミットの裏話をいろいろと聞かせてくれた、それはそれは紹介できないものばかりだった。公表してよい話だけここに書こう。

サミット中、真珠の植え付け作業で船を出すことを禁じられ、保証金もゼロ。商店街に対しても期間中の売り上げ保証はまったく出されなかった。すべてに高圧的で、お願いしますでなく命令されたという。サミットに関係する職員は、自動車の使用が禁止され毎日自宅から歩かされた。危険分散なのか安倍首相が泊まったのは伊勢志摩観光ホテルではなかった。中略
会場周辺は道路が非常にきれいになった。

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伊勢神宮のおかげ横丁は、10年前にくらべてかなりパワーアップした。古い建物を「新築」したのである。古いように見せているのではなく、本当に古い木で作った感じの店がいっぱい増えていた。自宅から2日間で330km走った。私は、長距離ドライブは苦手である。

伊勢湾岸道路ができたとはいえ、伊勢神宮に近い渡会郡(わたらいぐん)、鳥羽市、伊勢市、松阪市からの通院患者さんはいっぱいいる。こんな長距離を毎回来てくれるのかと驚かされる。私と話すのは5分程度である。ついでに楽しめる場所が名古屋にあればいいのだがと思う。

熊野市から通院している方にも、自動車でどれくらいかかるのですかと聞くと片道3時間、と平然と息子さんがおっしゃる。そして、文句も言わずスーと帰ってゆかれる。山梨の方は片道4時間、と娘さんはにこっと答えてくれる。どこか寄ってゆくのですかと聞くと、とくに寄らないという。外来も楽しく通院していただきたい心から願う。

ドクターコウノ2016年講演 品川でお会いしましょう!
●8月21日(日)社団法人抗認知症薬の適量処方を実現する会 第二回特別セミナー 進行性疾患のせいにされ続けた認知症医療でのくすりの副作用(60分)
450名(事前申込制・先着順)
申込サイトは
http://www.ninchi119.com/seminar/index.html 満席が迫っています!
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●8月28日(日)午後2:30-4:30 平成28年度第1回日常生活圏域別多職種協働研修会 豊川社会福祉会館(ウィズ豊川)視聴覚室
受信拒否のある認知症患者の在宅支援~受診への結び付け~ 95分+質疑20分。
主催 豊川市福祉部介護高齢課 担当:堀江様、松井様。対象:豊川市地域ケア会議(南部地域包括支援センター圏域)参加機関等。各部署で参加者は厳選のうえ参加申し込みを。上限人数一覧表を参考に願います。(計60名まで)

●9月4日(日)点滴療法研究会設立10周辺特別セミナー(90分 ベルサーレ三田、東京)認知症治療とアンチエイジングの融合ーコウノメソッド-
会場は品川駅からタクシーで5分。9:10-15:50 ランチョンセミナーあり。懇親会16:00-17:00(私も出席します)。演者5人で私は2番目の10:30-12:00。カナダで上演した動画をお見せします。参加費は、マスターズクラブ会員が3万円、一般6万円、同伴スタッフ(コメデイカル限定)1.5万円となっています。料金振込みの締め切りが9月2日(金)正午。お問い合わせは、点滴療法研究会事務局(品川区)電話 03-6277-3318

●9月25日(日)日本ホスピス・在宅ケア研究会主催 黒田裕子記念神戸フォーラム 神戸コンベンションセンター国際会議場大ホール(700名)14:00-16:30 コウノメソッドで認知症の人も地域で暮らせる。上記研究会のHPから申し込み。
会員3000年 非会員4000円(25日のみ参加なら-1000円)。24日(土)17時以降の懇親会(5000円)に私も参加します。問い合わせ:事務局(梅垣) 電話078-335-8668 
kobe@hospice.jp
http://www.ninchi119.com/seminar/index.html

●11月5日(土)夜7:30-9時 徳島県臨床内科医会講演会(徳島県医師会館)
東洋医学的発想・アンチエイジングで認知症を改善させるーコウノメソッド解説ー
問い合わせ:ツムラ 書籍・DVD販売あり。
●11月6日(日)朝10時―正午 徳島一般講演 徳島駅から徒歩10分「とくぎんトモニプラザ(300席)」認知症介護のコツーくすりの効用と副作用―

●11月30日(水)18:30-19:30 長久手南クリニック認知症勉強会
認知症患者の前頭葉機能を考える

今週の一言
天皇陛下もSMAPも 休ませてあげたい・・・

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