認知症ブログ H28.9.12(内容限定版56)

コウノメソッド実践医1
公開実践医の定期チェックをはじめました。NON ONLINE NEWSを3週間以内に読むことを義務づけ。
平成20年にはじまったコウノメソッド実践医の登録・公開制度ですが、名ばかりの実践医が増えてくることを心配する意見がではじめています。医師の力量は個々に差があるのは仕方がないですが、コウノメソッドとはまったく異なる処方をして、悪い結果になった場合は、実践医全体の信頼を下げることになりますので、永久除籍の措置をとります。そのような行為は、ほかの医療者や患者さんによって報告が入ります。過去にも実践医本人に確認したあと、非公開にしたり除籍したりしています。

コウノメソッド実践医会より、9月9日(金)に実践医の皆様へメールもしくはFAXでご案内を送付しました。受け取られていない方は実践医事務局へ必ずお知らせください。
実践医事務局メールアドレス:konomethod@gmail.com

定期的に(6週ごと)チェック表を配信しますので、FAX返送していただき、活動状況を把握したいと思います。コウノメソッドは常に進歩していますので、実践医登録後も勉強を続けていただく必要があります。そのため、この認知症ブログに目を通して頂いていることは必要ですので、毎週配信されるNON ONLINE NEWSは、あとで見返せるように保存しておいてください。患者さんが、このブログを見ている以上、実践医はNEWSを3週間以内に見ていただきたいと思います。

家庭の事情などで、河野講演、認知症治療研究会に出席できていない実践医については理解しているつもりです。その場合は、よけい書籍やNEWSを見ていただく必要があります。医師は、診療行為によって患者さんの運命を変えてしまう重責を担っています。どうしても治せない場合は仕方がないにしても、悪化させてしまうことがないよう患者さんの身体と対話する診察を続けていただきたいと思います。

公開実践医にのみメールがいきましたので、プリントアウトして必要事項を記入し名古屋フォレストクリニックにFAX返送願います。メルアド変更などあれば、早めにお知らせください。
FAX番号でなく電話番号を書いた公開実践医が5名、FAX番号を記入しなかったケースが1名、ブログアンケートに計3号分で1個しか書かなかった方が2名いました。気を付けてください。名古屋フォレストクリニック 
FAX 052-624-4005 締め切り:9月30日

まだ、連絡がない先生。3名の貴院にはFAXが届きません。→実名はNON ONLINE参照。
もう一度正しいFAX番号を書いて名古屋フォレストクリニックにFAXしてください。FAXは全員にインパクトファクターを書いて返送しております。

なお、非公開実践医でチェック表を見てみたいと思う先生は、「チェック閲覧希望・非公開実践医」、氏名、医療施設所在県、FAX番号を書いて 名古屋フォレストクリニックへFAXください。返送義務なく閲覧できます。(もちろん記入して返送していただければうれしいです)

さらに、医師以外の職種のコウノメソッド医療者の方々で、今回のチェック表を閲覧したい方は、
「チェック閲覧希望・コウノメソッド医療者」、氏名、お住まいの県、FAX番号を書いて 名古屋フォレストクリニックへFAXください。

コウノメソッド実践医会会長 河野和彦

全国から続々!公開実践医の早撃ちマック1位は、千葉の小田行一郎先生
ブログで印象に残ったスライドの集計を見ると、フラナガン水素や多動症など認知症とは、違う分野での得票が多く、驚いています。土曜13時までに41人からFAXをいただき、すべて返信しました。41人中、公開実践医を継続したいという先生が41人。認知症治療研究会未加入は、わずか2人でした。

患者を寝させてほしいと頼まれたとき、睡眠導入薬を処方しないと回答したのは、わずか1人でした。コウノメソッドの介護者保護主義は、睡眠薬を使うことを認めています。副作用をおこさないように家庭天秤法という提案もしてあります。締め切りがすぎたら、公開実践医の現在の実数が確定します。その後ブログで集計結果を公表します。

ブレークスルーの医療1
点滴療法研究会10周年講演会で90分講演
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9月3日(日)三田で5人の演者による講演会があった。私は、コウノメソッドの解説と抗酸化療法(FG療法)の詳細な処方術。また歩行障害系認知症の改善DVDをお見せした。当日は50人定員のところを90名の応募があり、終日にぎわった。

ナチュラリストが集まる医学会だっただけに昼食の弁当は、塩分2g台の超自然食。それでもちゃんと味がついていて驚いた。

同じものばかり大量に摂取すると、果物であろうと体によいものであろうと遅延型アレルギーがおきる人がいて、額に皮疹がでることが多い。それはIgEではなくてIgGの免疫反応であって日本の検査では正常と出てもアメリカに血液を送って調べると原因がわかるので、それを半年食べないでおけば完全に改善するという発表は参考になった。

患者の血液や便をアメリカに送るというのは、開業医にとってなかなか大変な作業に思える。仲介業者がいると助かるのだが、全国のアレルギー専門医に普及することを願っている。

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アトピー性皮膚炎やADHD(多動症)も遅延型アレルギーとの関係があり、アレルギー源を断つとADHDの精神症状まで改善するというが、名古屋フォレストクリニックに先日初診した幼児の兄弟も食事療法で効果があったとお母さんが言っていたので驚いているところである。

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社団法人 抗認知症薬の適量処方を実現する会 1
医療タイムスが巻頭大特集しました!
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表紙から、長尾和宏会長の社団による第二回特別セミナーの様子が掲載されています。本文は3ページにわたっています。私の講演内容も1ページを超える量でしっかり掲載されていました。
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週刊日本医事新報も丸1ページを割いて、報道しています。

抗酸化療法 1
N-アセチルシステイン(グルタチオン前駆物質)+タチオンの「新横浜セット」がPSPに奏功
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以前からグルタチオンは、胃で破壊されるため内服しても無駄だとされてきた。そのため、アメリカのサプリメントで、リポ化グルタチオンを購入して、少しでもグルタチオン点滴の回数を減らしたいという難病患者さんの切実な思いがあった。

内服薬でタチオンというのがあるが、効くはずがないと思っていた。しかし実践医によると6錠なら効くようだという。多く飲ませるには保険をあきらめればいいのだ。保険制度とは、あと少し増やせば効くはずのものを制限して医療の質を低いレベルに抑えてしまう。その結果、多剤投与になってゆく。

次にNACである。内服時は前駆物質であれば、破壊されずに脳内に届く。N-アセチルシステイン(NAC)は、保険薬ではムコフィリン吸入液(喘息治療薬)、アセチルシステイン内用液(中毒治療薬)がある。実践医が、アメリカのサプリメントを患者に試したところ、MSAでも歩行改善作用があったとのこと。NOW社のものだと1日3カプセルで、83日分3000円程度でネット購入可能である。カプセルだが大きくはない。タチオン大量とNACは、一部の変性疾患患者には点滴療法より効く場合があるという。

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(ネットより)非常に用途が多いアミノ酸で、医薬品、体内毒素を排出するデトックス、アンチエイジングサプリメント(抗老化アミノ酸)として知られています。体内にはグルタチオンという抗酸化物質があり、グルタチオンは最も大切な抗酸化物質の1つです。NACはグルタチオンの前駆物質といわれており、体内のグルタチオンの量を増やすことができます。呼吸器を感染から呼吸器を守る効果もNACの特徴です。気管支炎、ぜんそく、副鼻腔炎などの呼吸器疾患から強力に呼吸器を保護します。(インターネットから要約)

76歳男性が7月に車いすで初診した。額に傷があり、まったくしゃべらない。言葉も通じない。こういう状態は脳卒中で言うところの全失語であるが、しゃべらない患者のほうが圧倒的に少ないので、PNFA(進行性非流暢性失語)と言ってよいだろう。食事の概念も空腹感も消失している。鉛管様筋固縮で振戦なし、眼球は動くがPNFA-PSPと考えられた。介助の手を離さないという把持反射もありPick complexの片鱗を見せていた。

グルタチオン3400mg、ビタミンC1000mg、シチコリン250mgを無料点滴したが15分後に改善兆候はなかった。前医が処方していたのは漢方だけだったので、リバスタッチ、ドパコールを開始。1か月後、定期的に通っていた点滴のおかげか歩行が改善傾向で介助しやすいとのことだった。

割合サプリメントに理解の良い家族で、孫のアトピーにフラナガン水素を買いたいとおっしゃったので、それなら患者にはタチオンとNACを飲ませてみてはと提案した。1か月後、歩いてきたので驚いた。NACの投入をきっかけにさらに歩行が改善したようだという評価だった。タチオンも大きな錠剤だが1日9錠飲めてよかったと思う。

NAC3カプセルとタチオン6錠のセットを抗酸化内服(新横浜セット)と称し、今後も説明に使ってゆきたいと思う。この名称は、提案した実践医の意向による。はじめはNAC2カプセル、タチオン9錠だったそうだが、いまはNAC3カプセル、タチオン6錠が好感触だという。NACは安いし、タチオンは大きい錠剤なので後者がいいだろう。グルタチオンが著効するタイプ(PSP系,PD系、DLB系、小脳系)にはおそらく相性がいいだろうとのことである。コウノカクテルが効かないのにNACが効く患者はいるらしい。

LPC症候群 1(関東支部実践医)
レミニールとフェルガードはPSPに抜群に効く
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76歳女性が遠方から初診した。改訂長谷川式スケールは11.5で病識がない。認知機能より先に歩行がおかしくなって自転車が下手になってきた。歯車現象はばりばりにある。最初私はPDDだと思った。

転倒は前方に急に倒れるという。まじめであるが、眼窩面萎縮や病識欠如なのでPick complexである。ということはPD系でなくPSP-Pと考えればよい。歯車現象が強いPSPということだ。NewフェルガードLA粒201(朝2、夕1という意味)で推奨して、レミニール8mg×2という前医の処方で支障はないらしいから継続とした。改訂長谷川式スケール11.5なら16mgくらいいるだろう。ドネペジルと違ってパーキンソンニズムがあっても使いやすい。この判断が功を奏した。

神経内科医に紹介状を書いた。もちろんコウノメソッド実践医である。
紹介状(8月15日)
診断 PSP-P レビースコア5 ビックスコア2.5 HDS-R11.5
経過 抗認知症薬のみを処方されていますが、転びやすいということで来院。非常に鑑別が難しいですがPSPが候補に残りました。
解釈 パーキンソニズム:明確な歯車現象あり。2年前から小刻み歩行。
PSPらしさ:急に前に転ぶ。語義失語があり、歩行障害出現から半年以内に認知機能低下、改訂長谷川式スケールが悪すぎる。
Pick complexらしさ:語義失語がある。
DLBの否定:暗さがない。病識がない。改訂長谷川式スケールで計算ができる(どちらかというとアルツハイマーパターン)。迷子になり、別の電車に乗ってしまった。

前医処方はそのまま。NewフェルガードLA粒201推奨
よろしくお願い申し上げます。

神経内科医からの返事(9月6日)
PSP―Pで間違いないです。フェルガードが著効して改訂長谷川式スケールは20にアップしていました。動作、認知ともに劇的に改善。ガランタミンとの相乗効果と思われます。

追伸(9月8日)
フェルガードLA粒の追加で、劇的に効果があり、歩行や姿勢は正常レベルに近く(ビデオ撮りました)、やはりPSPにはレミニール+LAの組み合わせが最適のようです。ほかのPSPでも奇跡が続出しています。このエピソードはぜひ先生のブログに書いてください。先生との出会いがなければ、ここまでの感動は得られませんでした。

小児精神科領域 1
カナー症候群(低機能自閉)をピックセットで制御
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ピックセットが、あらゆる年代の精神疾患に万能であることは証明されつつある。

17歳と22歳の姉妹が初診し、スライドのようにそれぞれ処方したところ、3か月後にお母さんから手紙がきて、ウインタミンを多く処方したほうの妹さんが、とくに改善したという。

「特に次女が穏やかになり、私たちやクラス担任先生がとても楽になりました」。貴院初診の1か月後には、いままで通院していたクリニックで同じ薬(ウインタミン)を処方してもらいました。本当にありがとうございました」

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結局、精神科、発達障害を精神科医が治しあぐねいている理由は、新薬にそそのかされて学会しか行かず、57年前の古い薬のよさを発掘しようとしないからである。この発掘作業には製薬会社も興味を示さないし儲け話にならないものはすべて葬り去られるからである。つまりウインタミンは、CIAによって暗殺されたようなものである。

点滴療法1
シチコリンの威力(1)認知症3混の歩行障害に
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KONO cocktailは、歩行にグルタチオン、覚醒にシチコリン、脳代謝にソルコセリルという分担をさせているという理論ではなるが、意識障害系+歩行障害系であるレビー小体型認知症の歩行が悪いときに、シチコリンで覚醒させるだけでも歩行は可能になる。

この日は、急激な歩行障害、食事不能で臨時受診。頭部CTを撮影し硬膜下血腫の発生や正常圧水頭症の悪化がないか調べたので保険診療日となり、グルタチオンの自費点滴は行えない。頭は打ったということなので頭部打撲後の意識障害ということでシチコリン1000mgを保険で静脈注射となった。5分後にはすたすたと1人で歩いた。

点滴療法2
シチコリンの威力(2)レビー小体型の意識障害に
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1年3か月通院している76歳男性。初診時は改訂長谷川式スケールが24.5もありしっかりしていて栄養状態もよかった。JAの病院神経内科がアリセプト5mgとリスパダール(ドパミン阻害ダブルバーガー)を処方していたので、易怒と動作緩慢を治すために処方の見直しを行った。

1か月後、易怒も歩行速度も改善。そのときはリバスタッチと抑肝散を処方していた。食事中に寝てしまうというのでグルタチオン自費点滴を打ちに来るように助言した。多少易怒や語義失語はあるものの、基本的にはレビー小体型認知症だと思っていた。それから1年がたった。

9月5日、頭を打ってから片腕をあまり動かさないということで妻に抱きかかえられながら苦悶表情で臨時受診した。そりゃあ硬膜下血腫でしょう、と思ってCTをとったが何もない。このよれよれの状態でも食事は全部食べるというのだから原始的パワー(前頭葉症状)があるなあと感心した。つまり彼にはCBDの疑いが出てきたのである。

頭部打撲後の意識障害なので保険でシチコリン1000mg静脈注射が可能。5分後にはあっさり覚醒して1人で歩いた。念のためアマンタジン75mg朝とリントンは中止した。このように、KONO cocktail隆盛の時代においてもシチコリン単独注射は威力を発揮する。グルタチオン自費点滴ができない病院においてもシチコリン静脈注射はぜひおこなっていただきたいものである。

原因不明の不調のときは、シンメトレルロケットは中止するとよい。

点滴療法3
シチコリンの威力(3)薬剤性パーキンソニズムを5分で解除できる
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3年通院しているAGDである。86歳なのに易怒が強く、コントミン(12.5mg)2錠、レミニール8mg2錠でずっと安定していた。

49日早く臨時来院。コントミンがいよいよ蓄積してきてよれよれで入室。CTで新病変はなく、フロンタルアタキシアでもあるのだが、歯車現象をあり。頭をこんと打ったようだというので頭部打撲後の意識障害と判定。シチコリン1000mgを静脈注射。5分後にしっかりと歩行。しばらくコントミンを抜くように娘さんに説明した。

老いた奥さんに、強かったらコントミンは抜きなさいと説明したのは3年前のこと。主たる介護者が娘さんに変わった今、奥さんが家庭天秤法のことを申し送るはずもなく、今回の事態となった。娘さんは減らしてよいという話は聞いていないとおっしゃる。私もこの娘さんの顔は初めて見た。幸い保険がとおる状態だったので、すぐに復旧できた。万が一のレセプトがカットに備えて証拠写真も残してある。

点滴療法4
脳梗塞での不機嫌にシチコリン奏功せず
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8年間通院。笑い上戸で、私は彼女に会うのがいつも楽しみだった。それがこの不機嫌さである。腹をこちょこちょしても笑わない。シチコリン1000mgも奏功せず(少なくとも15分後には)。今後はソルコセリルが効くと思うのだが、息子さんが頻回に連れてくるのは大変なので、事実上できないかもしれない。

診察したらソルコセルは打てない(2アンプル以上でないと効かない)という、意地悪な規則があるため、治すアイデアがあっても治せない。いっそのこと自由診療クリニックにしてしまった先生がうらやましいが、それでは東京の大都会や、それこそドバイ、NYでしか患者は集まらない。自慢じゃないが、名古屋フォレストクリニックのある名古屋市緑区は3年前にイノシシが出た場所である。ただ、猪突猛進でないと治せないこともあるのだ。

心因性疼痛 1
サインバルタ20mgが膵臓痛に著効!
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軽度アルツハイマー型認知症で4年通院している76歳男性。今年の1月から胃が痛いと毎回私に訴えていた。市民病院で胃カメラ、採血をして異常なしだったという。私は、神経性胃炎であろうと思い、胃粘膜を麻痺させるストロカイン5mgを1日2回開始した。

90日後、腹痛は続いていた。みぞおちが痛い。CA19-9が少し高かったという。ふつうに考えれば膵臓癌(ふつうは背部痛であるが)を疑う。私は、彼を慰めながらストロカイン2錠を再び処方するしかなかった。

90日後、腹痛は続く。CA19-9は90にまで上昇し今度画像検査を予定されたという。これは、まさに膵臓癌ではないかと暗い気持ちになった。癌だったら、もう免疫力を賦活するアスパラガスのサプリメント、リプロテン2カプセル×2を飲んでおいたほうが良いと説明。ストロカインは3錠に増量。一か八か、心因性腹痛を想定してサインバルタ20mgを開始した。

56日後、腹痛は解消した。MRIで膵臓癌はなく、炎症によるCA19-9上昇との判定だったという。サインバルタはコウノメソッドに記載されている心因性腰痛の第一選択薬。内臓痛に試したことはないし、心因性内臓痛の患者は経験が少ない。サインバルタが効くという強い期待はなかった。たぶん合わないだろうと思い、最初の内はカプセルを開けて20%粉を捨ててから飲むように言ってあったほどである。うつ系でない人が飲むとひどい副作用(吐き気)がおきうる。

今回、脳が存在しない痛みを感知してしまうという誤ったシグナルをサインバルタが補正した。線維性筋痛症の52歳女性にグルタチオン点滴が最初の1本で著効して30年間の痛みが70%とれた症例もそれに近いのではなかろうか。(彼女は地元で点滴を続け、いまも元気である)。腰の痛みで徘徊がひどく、医療保護入院の準備中だった重症ピック病にサインバルタが著効して自宅にとどまった症例は劇的であった。ピック病は、苦痛をとらないとものすごい陽性症状を惹起する。

現在コウノメソッドで許可している抗うつ薬は、ジェイゾロフト、パキシル、ドグマチール、サインバルタだけである。これらで改善しない場合は精神科担当となる。純粋な認知症にはパキシルは使わない。非定型うつ病に対しての許可である。ドグマチールは、主に食欲セットとして50mg30日限定としている。サインバルタは20mg、30mgがあるが、当面20mgだけにしてほしい。

フェルガード1
独居で服薬がままならかったSD-NFT。入所で「進化した」と娘が感涙
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3年3か月通院している86歳男性。頑固なのでウインタミンも処方していたのだが、すり足になったときに減量して歩行はもとにもどっていた。今年の3月に私のことを知らないと言い、アパシーの表情になってきた。

6月、強引に長女が呼び寄せて同居をはじめてから、行動が安定してきたという。実は独居時代は半分しか薬が飲めていなかったことがわかった。当然フェルガード100Mも飲んでいなかった。そのとき処方したのがウインタミン4mg×2と二次性パーキンソニズムにドパコール25mg×2である。

9月、入室してきた娘さんが「進化してきた」とおもしろい表現を使った。いままでは、新しい靴を買って古いものを家族が捨てようとすると、泣きながら返してくれーと叫んでいた。いまは、それなら古い靴は近所で履いて、新しい靴はおでかけのときに使うと冷静に発言するという。新しいことも覚えられるようになり、「わしはあと何年生きられるのかな」などと知的な発言をするようになった。そのからくりは容易である。フェルガードをちゃんと飲むようになったから。

90歳近い患者が増えてきている。脳内神経伝達物質のバランスを考えると、フェルガードの一本釣りで確実、安全に治してゆくのが正攻法なのだろう。SD-NFTは進行が遅い認知症なので、そこをドネペジルやメマリーでめちゃめちゃにしてしまうということはないように願いたい。

今回、老年精神医学雑誌に多施設で大勢のアルツハイマー型認知症に対してメマリーの試験を行った結果が掲載された。4割の中止例がでているのに、多くはメマリーのせいではないとし、20mg(最大用量)を長期絶対に処方すべきというようなことが考察で書かれている。これをメマリーの圧倒的勝利と受け取る臨床医がいるなら、本当に深刻である。統計とは、はたして何のために存在するのか。統計学が患者を苦しめる要因になっている。

フェルガード2
交通事故後遺症の母、統合失調症だ老衰だとでたらめ医療をされて
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1年前西日本から、経鼻栄養で入院中の70歳女性が受診した。娘さんがコウノメソッドの信奉者で、フェルガードで今の地獄から抜け出したいという。結局、週に3回面会に行き、そのときにフェルガード100Mを飲ませることで劇的に改善し、1年後杖で彼女は元気にやってきたのである。その経緯を説明する。

平成20年 交通事故で左側頭葉挫傷。右硬膜下血腫で手術。
平成26年11月 幻聴が出現し、助けて―と言ったために精神科医から統合失調症だと言われ、リーマスなど処方されたが体力面、認知機能面でも悪化していった。半年強い抗精神病薬を飲まされていた。

平成27年4月、徘徊があって脱水で日赤A病院入院。71歳なのに「老衰だ、このまま看取りなさい。そういう時代ですよ、薬のせいではないの」と言われた。

その後キリスト系のB病院へ移り、経鼻栄養となった。その間肺炎を起こし、3週間絶食。出て行ってくれと言われた。精神科のC病院へ移り、嚥下機能を診てくれてイクセロンパッチ開始。13.5mgで皮膚は真赤か、下痢で精神的にもおかしくなったのに18mgに増量された。娘の訴えで9mgに落としてくれた。

平成27年8月名古屋フォレストクリニックに入院中の母を連れて自費で初診。彼女はコウノメソッドを知りフェルガード100Mを飲ませはじめ、7日後に理学療法士が「あれ!歩けるじゃないか」と驚いた。歩行が改善してきた。嚥下テストにも合格。そのときはLAにアップしていた。スタッフはなぜ改善したかわからなかった。しかし胃瘻になり、10月退院。11月には半分口から食べられるようになった。

私は嚥下にカプサイシンプラスを推奨し、ドグマチールを少し飲ませるように言った。結局、その後カプサイシンを嫌がったという。その後11か月自宅にいて、この9月に当院に回復のあいさつに来てくれた。イクセロンはやめたという。

胃瘻は継続で、200Kcalを注入しているだけで、両手を使って軟飯を食べている。娘さんは、もうフェルガードだけでいけますという。私は、NAC2カプセルの追加を推奨しておいた。改善したのだから、わざわざ遠くから来ていただく必要はないのだが、こうしてコウノメソッドの効果を報告してくれるのはありがたいことだ。彼女は介護経験者としてのコウノメソッド医療者でもある。このような輪が広がれば、多くの精神科入院中の患者が生きて家に戻れる。

フェルガード3
AGDの母、執念のフェルガード100M 一気に8本で奇跡の生還
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7月15日、患者は入院中で息子さんが自費で相談に来た。ピック症状があり精神科病院の閉鎖病院に入院中である。地元ではこの80歳女性に嗜銀顆粒性認知症の診断。万引きはしないものの、入院した時に人の毛布をとったという。

MRIを拝見したが、左右差があり頭頂葉も萎縮している。家の鍵を閉められない、易怒があり歩行は可能ということでCBDの可能性も考えた。しかし高齢すぎるなと思った。フェルガード100M2本を面談の時に飲ませれば退院できる、それしか生きて出られないと説明した。

2週間後、また自費で息子さんが来た。100Mが効いて穏やかになってきたという。さすがに外泊したときは、そわそわしていたらしいが保護室から出られたのは大きな成果だった。貴院後卓球をしたが、頻尿だったのが治って試合中トイレもいかなかったという。そこで、いよいよ完璧に復帰できるようにウインタミン4mg×2を自費で持ち帰ってもらった。

35日後、まだ入院中であったが外泊扱いで自費で受診。だからCT撮影は高額なのでできない。そこで聞いたのがフェルガードの恐るべき効果だった。週3回面会に行くのだが、彼はフェルガード100Mを一気に8本飲ませるのだそうだ。週に24本である。すぐに改善が始まったという。1か月後には、なんと老眼も治ってしまって本を読みだした。たまにはおちつかないこともあるが、目つきは知的であった。

セロクエル25mg錠が、朝2昼2。100mg錠が夕方飲んでいる。睡眠薬とパキシル10mgで寝させている。絵にかいたような精神科の処方である。早く退院させるために私はウインタミン6mg×2を自費で持って行ってもらった。今度会うときは、きっと保険診療ができそうだ。

高齢者の脳には滋養が必要である。精神科学は長い間、引き算の医学を展開してきた。抗うつ薬は足し算の医療であろうが、双極性障害にSSRIを処方すると躁期にとんでもない事件をおこしうる。殺人事件がおきるたびに、医師は犯人を擁護するが、それならば処方をもっと知的にできないものか。コウノメソッドの家庭天秤法は、毎日でも量を変えろと指導している。

精神科に欠落したものは、調整系である。エビリファイがそういう薬らしいが好きではない。コウノメソッドの武器は、フェルガード100Mである。24時間、万事、相手が誰であろうとも調整系である。化合物で調整できるとは思えない。化合物は、カーブかシュート、はっきりしておればいい。メマリーはフォークボール。こんな薬、扱える医師は天才だ。

中略(NON ONLINE NEWS参照)

補遺:フェルガード100M大量療法。過去には1日60本飲み成果を出していた55歳ピック病の経験がある。10月から100Mプラスが発売になる。なにがプラスになったか、あと20日間は企業秘密である。2錠飲んでみたが、ものすごく効く。

アルツハイマー型認知症 1
海馬萎縮がなくてもアルツハイマー型認知症
スライド20
海馬萎縮だけで病型鑑別していると、すごい藪医者になってしまうだろう。以前から私は口を酸っぱくして海馬萎縮のないアルツハイマー型がいること、海馬が猛烈に萎縮しているのは、むしろピック病だと説明してきた。

もちろん、いろいろな角度から脳萎縮を観察して総合判断してゆくのだが、どうして海馬だけで決めてしまう医師がいる。こうなってしまった理由は、医学書を書く医師が海馬しかしらないからだと思う。

この患者さんは8年半通院している、もともとどもりがあり性格は柔和で社交性もある。改訂長谷川式スケールは25から20と落ちてきているが、悪化速度は遅いほうである。かといって81歳でのSD-NFTは考えにくく、SD-NFTは海馬萎縮が少ないということもない。

病理学では、SD-NFTとAGDの進行が遅いのは、病変が海馬に限局しているからと説明されている。また老人斑がないことで神経毒があまり出ないとも解釈される。残念ながら病変が多い部分が、萎縮が強くなるとは限らないので解釈が難しくなる。つまりSD-NFTやAGDは海馬萎縮が強いと書いた医学書は見たことがない。

この8年間、彼がアルツハイマー型認知症以外のなにかではないかと感じたことは一度もない。まさしく室伏分類の単純痴呆である。彼は海馬萎縮が少ないアルツハイマーなのだと解釈するしかない。

アルツハイマー型認知症2
後方型萎縮でもピック症状
スライド21
62歳男性、4年間通院しているが、最近診察椅子にすわらなくなった。拒薬も出てきた。甘いものも好きである。そしてニコニコしているだけである。しかしCTを見直してもアルツハイマー型認知症としか思えない。

こうなったヒントは彼が若いということである。最近は初老期認知症という言葉をあまりつかわなくなり、30代発病者も含めて若年性認知症と言うようになった。私が博士号論文3本以外で初めて投稿した日本語の論文は、アルツハイマー病とアルツハイマー型老年痴呆の違いを統計比較したものである。いうまでもなく、若い患者のほうが臨床症状と脳萎縮の速度が速い。

だから彼も早晩脳萎縮が全般化してピックのようにもなってきたということなのであろう。現在、ウインタミン6mg×3が必要である。暴力ではないのだが、奥さんが困っているから必要である。ショートのときだけセルシン1mgも加えている(外では興奮するから)。ピック病と違うところは、レミニール8mg×2が飲めるということである。二次性パーキンソニズムにはドパコール25mg×2も始まっている。夜はロゼレムで寝てくれる。つまりプチピック像である。


レビー小体型認知症 1
どこまで前頭葉萎縮が高度でもレビーといえるのか
スライド22
レビー小体型認知症が、パーキンソン病に比べて大脳萎縮が強いことは間違いない。幻視は後頭葉の局所脳血流低下によっておきるのだが、後頭葉は萎縮しない。なぜなら後頭葉は生理的に萎縮しにくいからである。

逆に前頭葉は非常に弱い。変性によっても血流低下によっても、生理的にもまっさきに萎縮するのが前頭葉である。アルコール関連認知症でも前頭葉が萎縮するが、脳回矮小化まではいかず、断酒によって萎縮はもとに戻る。正常圧水頭症やパーキンソン病では前頭葉血流が落ちているが前頭葉萎縮まではいかない。こういった背景がある。

さて、あまりにも前頭葉萎縮が強いレビー小体型認知症のことを私はフロンタルレビーと呼ぶ。こう呼ぶことによってピック病ではないのだと、自分を言い聞かせるためである。しかし、フロンタルレビーの患者が長生きすると、一部は心配していたとおりピック症状が加わってLPCになる。わがままな言動に対してウインタミンが必要になってくる。あるいは、警察に電話してしまうというたちの悪い幻視となる。

フロンタルレビーの一部は、レビー小体型認知症という診断は間違いであってPSP,CBDであたことに気づく日が来る。厳密にはLPCでなくてLPC症候群である。ここで生じた問題は、一生レビー小体型認知症で終わる予定のフロンタルレビーにおける前頭葉の最大萎縮度はどこまでかという基準作りである。コントミンの1日最大量を75mgと設定したように、この課題も重要となる。

その答えに提示したいのがこの患者。78歳女性。いかにもレビー小体型認知症の多発年齢。転びやすい、つまずきやすい、アプローズサイン陰性、軽い振戦、レビースコア7、ピックスコア0、歯車現象なし。すり足歩行である。寝言やレストレスレッグはない。改訂長谷川式スケールは24.たちのよい患者である。前頭葉萎縮はかなり強めである。このあたりがフロンタルレビーにおける前頭葉萎縮の最大限かなと思う。

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老人斑のない高齢者の認知症1
SD-NFT とVD(虚血)の合併というケースもあるのだろう
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89歳女性が来院した。杖なしで歩けるが左不全麻痺がある。改訂長谷川式スケールは18で遅延再生は6/6のパーフェクト。しっかりした老人との印象が強い。易怒はない。

CTでは海馬萎縮が2+で全体的に穏やかな所見。神経原線維変化型老年認知症(SD-NFT)+腦血管性認知症(ないしは虚血)と考えるしかないだろう。処方はリバスタッチパッチ、NewフェルガードLA粒タイプ2個を推奨しておいた。なるべく穏やかな薬で「素材」の良さを生かすのがよかろう。

認知症の社会問題1
やはり、プロが徘徊事故をゆるすと賠償金は高額
愛知県大府市共和駅での認知症の踏切事故は、結局最高裁で家族の無罪になった。この判決には必ず説明が必要である。無条件無罪だったのではなく、裁判長が選定した7つの条件があてはまらなかったから無罪になったということを。

9月9日23時に毎日新聞が配信した新たな裁判(福岡)の判決は、76歳女性がデイサービスセンターから昼間に非常口から抜け出し死亡した事故で、施設に請求された2964万円は、ほとんど満額の2870万円で支払いを命じられた。遺体の発見は3日後で凍死だった。

私の患者さんもショートステイ先で電子ロックの電源をオフにしていたため深夜に抜け出して、2年以上行方不明であり裁判中だとお聞きした。こういう事件がおきると施設は、その後の運営が立ち行かなくなる可能性があり、神経を使うところである。スタッフと利用者がマンツーマンでない以上、玄関には人感センサーが必須であろうし、今後ピック病の利用は断るケースが出てくるだろう。もっともアルツハイマー型認知症と誤診されているのだろうけれども。

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ドクターコウノ2016年講演 
●9月25日(日)日本ホスピス・在宅ケア研究会主催 黒田裕子記念神戸フォーラム 神戸コンベンションセンター国際会議場大ホール(700名)14:00-16:30 コウノメソッドで認知症の人も地域で暮らせる。上記研究会のHPから申し込み。DVD2本お見せします。どんなことがあてもお越しください。人生観が変わる1日に乾杯! 応募900名越しました。別会場での講演もあるため、必ずしも満席ということではありません。あきらめないで応募を
会員3000年 非会員4000円(25日のみ参加なら-1000円)。24日(土)17時以降の懇親会(5000円)に私も参加します。問い合わせ:事務局(梅垣) 電話078-335-8668 
kobe@hospice.jp
http://kurodakinen.okoshi-yasu.net/program.html

●11月5日(土)夜7:30-9時 徳島県臨床内科医会講演会(徳島県医師会館)
東洋医学的発想・アンチエイジングで認知症を改善させるーコウノメソッド解説ー
問い合わせ:ツムラ 書籍・DVD販売あり。高橋会長の意向で内科医以外にも広くお誘いしています。
●11月6日(日)朝10時―正午 徳島一般講演 徳島駅から徒歩10分「とくぎんトモニプラザ(300席)」認知症介護のコツーくすりの効用と副作用―
●11月30日(水)18:30-19:30 長久手南クリニック認知症勉強会
認知症患者の前頭葉機能を考える

ドクターコウノ2017年講演 
●2月26日(日)第三回認知症治療研究会(パシフィコ横浜)
●3月19日(日)NPO法人 くすり・たべもの・からだの協議会 静岡市 午後2:30から90分(理事長 山田静雄 静岡県立大学大学院薬学研究院)対象:一般市民、薬剤師など
●6月3日(土)19-21時 第4回認知症サポート医等連携の会(千葉県医師会館3階会議室)
●8月20日(日)正午 社団法人抗認知症薬の適量処方を実現する会 第三回特別セミナー 品川 演者:長尾、河野、平川

認知症治療研究会1 まもなく締め切り!最終案内です
第三回研究会で公募演題(3人、10分ずつ)
平成29年2月26日(日)にパシフィコ横浜で第三回認知症治療研究会が行われる。第三回研究会から公募演題募集。応募資格は会員限定、職種を問わない。選ばれた3名は1人10分が与えられる。発表内容は、治療、予防、介護、基礎、診断など特に制限はない。
●発表内容を1000字程度にまとめて事務局にメールする。
●締め切りは平成28年9月14日(水)。応募多数の場合は世話人で選考する。
●発表内容は、研究会誌に掲載される。(掲載誌は国会図書館に寄贈される)
●マスメデイアが多く集まる研究会なので、世間に発信したいことをぜひエントリー願いたい。
当日は東京マラソン2017です。宿泊ホテルの確保はお早めにお願いいたします。

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